国会での議論と国民の理解を無視した三党合意は、政党政治と民主主義の危機である!
手続きこそが民主主義の命であるが・・・〔PHOTO〕gettyimages

 6月15日、税と社会保障の一体改革をめぐって、民主党、自民党、公明党の三党が修正案で合意した。これで、残るは採決のみとなった。

 しかしながら、私たちのような小政党からすれば、自公民以外の政党は決定の埒外に置かれてしまっていることが問題である。数の上では自公民三党が合意すれば、何でも決められるが、国会には多様な民意を代表する様々な政党が存在している。民主主義は、手続きが重要である。

 これまで眠っていた国会が、自公民の合意によって俄かに動き始めたが、15日午前中に衆議院で可決した法案が、午後にはもう参議院本会議で審議されるという慌ただしさである。

 原子力規制組織を新設する法案である。それこそ、他の政党には相談も無く、「手続きなどはどうでもよい」といった対応である。これでは、国権の最高機関としての国会が死んでしまう。

政党政治や民主主義の自殺行為

 税と社会保障をめぐる三党合意について言えば、選挙、政権交代、民主主義といった大切なものの意味を失わせる暴挙である。子ども手当にしろ、最低保障年金にしろ、後期高齢者医療制度の廃止にしろ、社会保障の新しいヴィジョンの一環であったはずである。

 税制にしても、「控除から手当へ」というのが今後のあるべき姿であり、子ども手当は、その意味では間違っていない。保育園と幼稚園が分離しているのは、厚生労働省と文部科学省、そしてそれぞれに関係する業界、族議員の縄張り争いからであり、真に子どもたちの未来を考えた上でのことではない。だから、両者を一元化しようというのは間違った政策ではない。

 しかし、民主党は自らの政策をかなぐり捨てて、自民党の政策を丸呑みする形で妥協を図った。これは、公約違反であり、国民を欺いたことになる。

 マニフェストに掲げた政策を実行に移し、その成果について次の選挙で国民の審判を仰ぐ。有権者が、政策実現を評価すれば、再度政権を託されるであろうし、逆に評価しなければ、政権を追われることになる。

 これが小選挙区制を導入し、政権交代可能な二大政党制を作るとした改革の目的ではなかったのか。政策を掲げて競争し、政権交代を実現したところまでは良かったが、そこから先が駄目である。国民に約束した政策は実行されず、ねじれ国会を理由に、国民が否定したはずの自公の政策に回帰していくのでは、政党政治や民主主義の自殺行為である。

 自民党にしても、民主党を弱体化させる、あるいは民主党と組んででも早く政権に復帰するといった意図が見え見えであり、自らの政策を有権者から批判されて政権の座を去ったことなど、忘れてしまったらしい。

 自らの過去の政策が正しかったと誤解して、改革努力を怠っているから、いつまで経っても支持率が増加しないのである。古い自民党を体現するような長老たちが目立つようでは、この党に明日はない。

 公明党も、二大政党に取り残されたくないという気持ちはよく分かるが、弱者に光を当てるという立党の精神まで無くしてしまえば、党の存在価値はなくなる。

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