雑誌
「何も決められない政治」はこうして続く
「次の総理」は橋下のほかにいるのか永田町ベテラン記者50人に聞いた

 メディアで報じられる政治家の発言に、国民は心底うんざりしている。彼らを間近で取材している記者は、政局の行方をどう見ているのか。政界の空気を変えるには、やはり〝あの男〟しかいない。

本当は辞めたくないノダ

「いまの政局は永田町のプレーヤーである政治家ですら、自分たちがどこへ向かっているかが分かっていない混乱状況です」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

 6月21日までの消費増税関連法案の成立に向けて、自民党との連携を模索する野田佳彦総理。自公もこれまでの態度を一変させ、6月7日に修正協議に応じる方針を表明した。無事に法案が成立した暁には「話し合い解散」が行われる公算も高い。

 解散を一日でも先送りしたい輿石東幹事長と、消費増税のためには解散もしかねない野田総理の溝は埋まらず、民主党は分裂含みの様相を呈している。

 ただ、野田氏の「(消費増税に)政治生命を賭ける」という言葉も額面どおりに受け取ることはできない。いざ消費増税関連法案の会期内成立の見通しが立たなくなっても、総理の座にしがみついていたいのが本音だろう。

 それぞれの思惑が絡み合い、その結果、何も決められないまま、時間だけが過ぎていく。中央政界がこの体たらくだから、橋下徹氏に国民の人気が集まるのも無理はない。

 だが、現状は大阪市長にすぎない橋下氏が現実に総理になるにはいくつものハードルがある。

 そこで本誌は、この混乱の後は誰が「次の総理」になるのか、ベテランを中心に永田町の政治記者50人にアンケートを実施した。質問は現実的に「次の総理」は誰か。そして総選挙はいつか、の2点である。

 回答結果と、そこから浮かび上がった予想されるシナリオのパターンを52~53ページの表にまとめた。

 初めに総選挙の時期について記者たちの予測をまとめると、次のようになる。

◯民主党代表選(9月)前の解散総選挙 ・・・・・・16人
◯民主党代表選後、任期満了前の解散総選挙 ・・・・・・18人
◯来年8月の任期満了近くの衆参ダブル選 ・・・・・・16人

 すぐにでも解散総選挙が行われそうな風潮とは裏腹に、政治の玄人たちでも見事に意見が分かれるほど政局は混乱している。

 以下、政治記者の声を紹介しながら、現実的な「次の総理」誕生のシナリオを分析していこう。

【谷垣総理の場合】

 14人から名前が挙がり、もっとも票を集めたのが谷垣禎一氏だ。そのうち11人が9月までに解散総選挙が行われると回答した(パターンA=53ページチャート参照)。

「野田が増税反対の小沢と法案採決先送り姿勢の輿石を切る覚悟で自民党と手を組めば、消費増税法案は成立する。そうなると、法案成立後まもなく自民党との、あうんの呼吸で解散、総選挙となる。選挙では民主党が敗退し、自民党は過半数を取らないまでも第一党へ。結果、谷垣が総理になる」(新聞・50代)

 会期を延長しての消費増税関連法案の成立と引き換えに、「話し合い解散」をするケース(パターンB)も考えられるが、その場合も民主党が大幅に議席を減らし、自民党が第一党になることは間違いない。

 野田氏が〝暴発解散〟をして、早期の解散に打って出たとしても、議席を大きく増やした自民党の総裁が総理に就任する(パターンD)。

「野田総理は小沢の代理人である輿石が阻止しようとしていた内閣改造を強行したものの、ここまでだろう。自民党との協調路線に舵を切ったが、自民との合意は可能か。国会を9月まで延長して模索するだろうが、小沢、輿石はこれに抵抗。結局、野田総理の堪忍袋の緒が切れたら解散。そして民主分裂。結局、衆院選で第一党になる自民党の党首が民主の反小沢、公明と連立を組む」(新聞・30代)

 今国会中にも解散があると予想する全国紙記者(40代)は、総選挙後の獲得議席を次のように予測する。

「自民200、民主130(小沢グループが離党しない場合)、公明30、みんなの党30、維新の会70、その他政党20」

 そのうえで、その後の政局の動きをこう描く。

「自民党が他の政党と連立して過半数の241議席を確保するには40議席以上が必要だが、公明党との連携だけでは足りない。そこで、消費増税法案に賛成の勢力で、かつ次の政権の最大課題が社会保障であることを考えると、自民党が組むのは小沢グループが抜けた後の民主党しかない。

 そこに橋下維新の会が加わる可能性もあるが、むしろ自民党から維新の会に政権入りを打診する形になるのではないか」

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