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"世界恐慌"を乗り越えるための全情報(1)
あなたの預金が溶けてなくなる おカネの価値が100分の1になって、スタバのカフェモカが1杯3万8000円になる---

 原発問題でわかったように、安全神話はある日突然崩れ落ち、わかった瞬間に逃げる間もなく、致命傷を与える。教訓は生かされるか。今度は日本国債を支える神話に疑いの目が向けられた。

Xデーは国会会期末

 NHKの連続ドラマ『梅ちゃん先生』が、いまマーケット関係者の注目を集めている。

 ドラマの舞台は終戦直後の東京・大田区。戦費をまかなうために日本政府は戦時国債を大量発行し、そのうえサンフランシスコ平和条約による賠償金が加わって、とてもじゃないが借金を返せない窮状にあえいでいた時代である。

 巷ではモノの価格が上がり続けるインフレが進行、闇市が跋扈する混乱状態にあった。

 そこで政府は奇策を打ち出す。預金を封鎖することで市場に出回っているカネを強制没収、これでインフレを押さえ込もうとした。

 合わせて新円への切り替えを断行し旧円ではモノは買えなくしたため、人々は新円を受け取ろうと銀行に殺到。ただ、1ヵ月に受け取れる新円の額には限度があったため、当時の人々はろくにモノも買えない生活苦に陥った。

 ドラマでは、その新円受け取りの一幕が放送されたのだが、それがどうしてマーケット関係者の話題になっているのか。

 大手生保幹部が言う。

「いま日本が抱える借金の多さは、歴史的に比較するとまさに、ドラマのシーンとなった戦後当時と比肩するレベルにある。さらに経済専門家の間では、日本が当時と同じく、再びのインフレに陥る危険性があると指摘され始めている。要するに梅ちゃん先生の時代の再来が、いまホットな話題として語られているのだ」

 当時のインフレの脅威はすさまじく、預金の価値があっという間になくなってしまったという。

「戦後当時は預金封鎖が奏功せず、インフレはその後も加速した。結果、引き出せずに銀行預金に入れておいたカネは数年後に〝紙くず同然〟になってしまった。預金封鎖が解かれた後に、残ったカネで買えたのが少しの衣服だけだったなんて話もある。そして、これ以上の惨事が、現代ニッポンで起きる可能性が出てきている」(同前)

 われらの預金が溶けてなくなる超インフレ。

 何年もデフレに悩まされている日本でそんなことが起こると聞いても信じられないかもしれないが、いま確かな根拠をもって、一部の経済専門家たちが警戒し始めている。一橋大学准教授の小黒一正氏が言う。

「危機の引き金となるのは日本国債の暴落だ。いまはギリシャ、スペインなど国債危機が過熱しているので、〝安全資産〟として日本国債が買われているが、逆にこれが問題を深刻にしている。世界最悪レベルの財政赤字を抱える日本の国債が〝安全〟ということ自体がおかしいわけで、日本国債のバブルが目下膨らんでいるといえるからだ。

 しかし安全神話はいつ崩壊してもおかしくない。そしてバブルが大きくなるほど、弾けたときのインパクトは大きくなる。Xデーが来れば、最悪の場合、想像を絶する超インフレが日本を襲うことになるだろう」

 ではXデーはいつ来るのか、その日は近いのか。

 明治大学教授の加藤久和氏は「6月の国会会期末のタイミングで起きる可能性も捨てきれない」と警鐘を鳴らす。

「実は日本は消費税率が10%になっても財政は安定しない。25%まで上げる必要があると言う人もいるし、海外の投資家たちは『少なくとも日本は20%まで上げる余地がある』と考えている。

 逆に言えば、この余地・余力がなくなったと判断された時点で、一気に国債が売り浴びせられる可能性が高い。国会会期末を迎え、『日本は政治的に消費税が上げられない』と見なされれば、その瞬間に、日本売りが始まるかもしれない」

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