修正協議と党内説得に苦悩する野田首相。「外遊中のクーデターを恐れてG20ドタキャン」の可能性は未だ排除できない!
どうする野田首相〔PHOTO〕gettyimages

 野田佳彦首相は6月15日午前、18~19日、メキシコ太平洋岸のリゾート地、ロス・カボスで開催される主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議出席のため政府専用機で17日午後1時半羽田空港を発つ予定であったが、出発時間を5時間遅らせて午後6時半に変更した。

 筆者は前号コラム(6月9日付)で、野田首相が、日本不在中に民主党内の小沢一郎元代表ら反消費増税グループが関西電力大飯原発の早期再稼働に消極的な中間派に対し多数派工作を行なう時間を与えることになり、自ら党内説得の陣頭指揮に立つためにG20欠席を検討している旨を書いた。そしてそれは、「宮廷クーデター」を起こされることを心配してのことである、と。

 ところが、週明けの11日売りの『夕刊フジ』が「小沢クーデター情報---野田外遊中に党内掌握」と大々的に報じただけでなく、何と同日の衆院社会保障・税一体改革特別委員会(委員長・中野寛成元衆院副議長)の集中審議で自民党の阿部俊子衆院議員は「G20首脳会議から首相が帰国する20日までにクーデターがおきるのではないか」と質問、野田首相が「(消費増税関連法案の修正協議が)決まった暁にはクーデターなど起こらない」と答弁したのだ。

 阿部議員自身が前号コラムを読んだ上で質問したのかどうかは承知していないが、国会審議で「クーデター」という言葉が飛び交ったこと事態、全くもって異例のことである。要は、それほど民主、自民、公明党間の修正協議が難航していることの証である。

焦点は小沢氏とその支持グループの対応

 本稿執筆時点(15日午後)でも最終合意には至らず、早ければ15日中に実現すると言われていた野田首相と自民党の谷垣禎一総裁のトップ会談も見送られた。しかし筆者は、遅くとも首相がメキシコに向けて出発する17日の午前、早ければ16日中に実現すると見ている。

 この間、社会保障分野の細川律夫元厚生労働相(民主)、鴨下一郎元環境相(自民)、石井啓一党税調会長(公明)、税分野の藤井裕久党税調会長(民主)、町村信孝元外相(自民)斉藤鉄夫幹事長代理(公明)など修正協議の実務責任者レベルでの進捗状況は押したり退いたりの繰り返しだが、実は、野田、谷垣両氏は9日以降直接電話で協議しているのだ

 筆者の見立ては、トップ会談は土壇場で修正合意に達し、民主党執行部も野田首相が帰国する20日にも衆参院議員総会(懇談会)を開催し、会期末21日に衆院本会議での消費増税関連法案採決を決める---というものだ。そして焦点は、「反消費増税」の旗を降ろさない小沢氏とその支持グループの対応である。

 輿石東幹事長が既に法案採決・成立に舵を切ったと見られるだけに、「小沢親衛隊」と呼ばれる30~40人は造反(=反対票)する可能性が強いが、鳩山由紀夫元首相のグループを含めて約120人の反消費増税勢力の過半は、除名回避のために採決を欠席するに留まるのではないか。

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