日本人の英語下手の原因は発音教育の軽視にある。日本の発音教育改革に挑むイフ学語学院の「中野メソッド」
累計250名のハーバード大合格者を出した英語教育とは・・・〔PHOTO〕gettyimages

「日本人の英語下手の本当の原因は発音教育の軽視にある」

 こう語るのは私のアメリカ留学をサポートをしてくださった大手留学予備校「イフ学語学院」の中野正夫学院長である。今回は英語教育の中でも発音教育について少し掘り下げてみたい。

 イフ学語学院の実績は目を見張るものがある。海外留学指導実績は日本最長33年。ハーバード大学合格者数は最多の累計250名。この予備校の設立者、中野正夫氏の経歴もユニークだ。鹿児島ラサール中学高校卒業後、東大や早慶ではなく、中野氏が目指したのはアメリカ留学。今でこそラサールや灘高のような進学校で「東大よりハーバード」という気運は静かに盛り上がりつつあるが、当時は「東大一直線」の時代である。非常に珍しがられたのではないか。

 中野氏は高校卒業後、単身渡米。セントスカラスティカ大学で心理学、ミネソタ大学で数学を学び、サンフランシスコ州立大学では都市学を専攻して卒業。ミネソタ大学在学中よりイフ外語学院設立準備を始め、サンフランシスコ州立大学在学中にイフ外語学院を設立してしまった起業家である。

 日本の発音教育のひどさを嘆く中野学院長に率直に聞いてみた。

発音は国際社会における最重要ポイント

---日本の英語教育では発音がますます軽視されているように感じます。訛りやアクセントを気にせず話そう、との気運です。いかが思われますか?

イフ外語学院/中野学院長

 初心者はそれで充分だと思います。しかし、英語を教える立場になろうという人は当然、そうはいかないでしょう。また、国家や企業の代表として、英語で話す機会のある方も、発音は自分だけの問題ではなく国家や企業の品格を判定されるは要素である、ということを認識すべきです。

 そもそも日本語は「50音」というくらい、発音のバリエーションが少なく、日本人は複雑な音を聞き分けて話す能力が劣っています。インド人の名前を見てもらえばわかるように、インドでは子音が複雑に混ざり合った音が無数にあります。だからインド人は英語くらいの発音バリエーションならすぐに対応してしまいます。

 われわれはインド英語を訛りの強い英語だと思っていますが、われわれが気づいていないだけで、彼らの方がはるかに正確な音に近い発音を行っています。中国語も韓国語も発音のバリエーションが日本語より複雑で多様です。だから彼らの方が聞き分け能力や発音能力が高いのです。

---なぜ発音が大事なのでしょう。スピーキングだけの問題でしょうか?

 簡単なことです。日本にいる外国人で日本語が流暢な人に出会うと、感服しますよね。また、尊敬の念と共に、そこまで日本語に精通してくれた努力に対して感謝の念さえ覚えます。他国言語の発音を極めるということは、その国の文化に対する最大のリスぺクトですよ。

 発音が下手であるということは、その国の言語にも文化にもさほど興味がなく、努力もしていないということです。実際に努力していませんけれどね。そして海外で商売をする人や、国家を代表する人の発音が下手ならば、最初から、他国の文化への真摯な敬意を払わない相手だと判定されるわけです。多くの日本人は実際に大きな努力を伴うほど他国文化に敬意を払っていないので、仕方ないのかもしれませんが。

 発音は、国際社会において、その人物の文化、教育、知性、見識、教養の全てが瞬時に判断されてしまう最重要ポイントだとの認識が必要だと思っています。このように考える日本人は私だけかもしれませんが。

 もう一つ大事なのは、正確な発音ができない言葉は聞き取れないということです。日本人がヒアリングを苦手とする原因は、発音の軽視にあると思います。正しい発音で話せるようになれば、自然と聴き取り能力も向上してくるのです。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら