2012.06.20(Wed)

ビタミンCの大量服用で血圧が下がる可能性!

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HBR

 米国・メリーランド州ボルティモア市ジョンズ・ホプキンス大学のEdgar R. Miller III博士らがAmerican Journal of Clinical Nutrition 2012年4月4日オンライン版に発表した研究で、大量のビタミンCを摂取することで、血圧が高血圧治療薬ほどではないけれども、低下することが明らかになりました。

 知られているとおり高血圧症は、脳卒中や心疾患への極めて高いリスク要因であり、我が国でも中高年の多くの人が、高血圧治療薬を服用しています。これまでにもビタミンCの効能として、血圧を低下させる作用があることを示唆する研究が、発表されたこともありましたが、矛盾する研究結果もあり、血圧に対するビタミンCの明確な効果は立証されてはいませんでした。

 そうしたことから博士らは、これまでに発表された29の臨床治験研究を分析しビタミンC摂取と血圧の関係を分析しました。分析対象となった治験では平均して毎日500mgを平均して8週間の期間服用しており、被験者の血圧は服用前に比べて全体平均で収縮期血圧が3.84mmHg低下、高血圧症と診断された被験者では4.85mmHg低下していました。

 博士らによると一般的な高血圧治療薬のACE阻害薬や利尿薬の場合は10mmHg程度低下することが期待されていることに比べて、約半分の効果があるということです。

 米国ではビタミンCは1日90mgが推奨摂取量とされており、500mgは5.5倍に当たる大量服用になりますが、この研究結果の穏やかな低下効果であるmmHg程度でも、成人全体がこれだけ平均して血圧が低下すれば、かなりの脳卒中が予防できるはずだとしています。

 しかし、どのような生理学的なプロセスによってビタミンCによる血圧低下が生じるのかについては、さらに研究が必要であり、長期間の効果についても、今後の研究課題であるとし、この結果のみで高血圧治療薬の服用から、ビタミンC の大量服用に、いきなり切り替えたりはしないようにと注意を促してもいます。

医療ジャーナリスト 宇山恵子
American Journal of Clinical Nutrition 2012年4月4日オンライン版

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