2012.06.19(Tue)

大豆タンパクが脂肪肝の症状緩和に効果!

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 米国・イリノイ大学のHong Chen博士らが、カリフォルニア州サンディエゴで2012年4月21~25日に開催されたExperimental Biology 2012で発表した研究で、大豆たんぱく質が肝臓の情報伝達機能を、部分的に機能回復させることで、肥満患者の肝臓に蓄積した脂肪と中性脂肪を、減少させることが明らかになりました。

 博士らは肥満が多い米国では、成人の3分の1が脂肪肝であると推定され、場合によっては肝不全に至る脂肪肝は、見過ごすことのできない疾患であるにも関わらず、多くの場合、症状がないため放置されているとし、分子生物学の側面から、肝臓の脂肪の代謝を研究していました。

 今回ラットを使用した実験で、痩せたラットと肥満ラットに、それぞれ牛乳ベースのタンパク質であるガゼインを含んでいるエサを与えた場合と、大豆たんぱく質を含んでいるエサを与えた場合とを比較しました。17週間継続した後、痩せたラットの場合、どちらのエサでも肝臓には特に変化がありませんでしたが、肥満ラットでは、大豆たんぱく質のエサを与えられた場合に限って、中性脂肪と肝臓に蓄積した脂肪が20%も減少していました。

 また博士らは大豆たんぱく質分離物質が、脂肪の代謝に重要な働きをするWnt/β-カテニン・シグナル伝達経路(多細胞生物の体の形態形成を制御する重要なシグナル伝達経路で、幹細胞や前駆細胞の増殖・維持や、がん、糖尿病、精神疾患の発症にも関わっているとされる)を部分的に回復さていることも発見しました。

 博士らはこの結果について、今後さらに研究が必要であるが、大豆たんぱく質は脂肪肝の緩和に効果があり、また多くの肥満患者に関して肝臓の脂肪の代謝に問題があることから、この大豆プロテインの機能を研究することで、より多くの脂肪が肝臓から排出されるようになれば、肝臓機能に問題が発生することも減らせるようになるだろうとしています。


医療ジャーナリスト 宇山恵子
Experimental Biology 2012 ASBMB プレス・リリース

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