野球
二宮清純「名選手に見る“用具への気配り”」

 東京は6月9日に梅雨入りしました。これからしばらくは、じめじめした天候が続くのでしょう。

 この季節になると体調不良を訴える選手が増えてきます。外国人選手の中には初めて梅雨を経験する者もいます。

「日本の暑さにはマイッたが、降り続く雨にはもっとマイッた」
過去、何人かの外国人選手から、こんな話を聞いたことがあります。

 しかし、梅雨時にコンディションを崩すのは選手だけではありません。バットやグローブなどの用具類も変調をきたすことがあるのです。

バットの“体調”

 いつだったか、あるスポーツ用品メーカーの社員から、こんな話を聞きました。
「この季節、バットのコンディションが気になるんです。あまり知られていませんが、湿気があるため、梅雨時は通常より30グラム以上重くなってしまうことがある。だから無造作に放り出してあるバットを見ると心配になってしまうんです……」

 910グラムのバットが940グラムに“増量”していたにも関わらず、それを知らずに振っていたらフォームを崩すのは目に見えています。体が重いのではなく、バットが重いのですから、いくらバットを振り込んでも解決策にはなりません。スポーツメーカーの社員はそのことを気にかけていました。