イタリアへの飛び火は回避できるか!? スペイン発の"ユーロ防衛戦"は不安要素だらけ
マドリードにあるバンキア本社〔PHOTO〕gettyimages

 スペイン政府は、国内の金融機関の資本不足を解消するために、EUなどから1,000億ユーロ(約10兆円)を上限とする支援を仰ぐことで合意した。この背景には、スペイン大手金融機関のバンキアが厳しい状況に追い込まれ、預金の一部が流出し始めていることなどがある。そうした状況を放置しておくと、同国の金融システムが総崩れになることにもなりかねない。

 一方、ユーロ圏諸国にとっても、同地域内第4位の経済大国であるスペインの信用問題がこれ以上拡大すれば、ユーロ圏全体の信用力が低下し、ユーロ体制自体の崩壊にもつながりかねず、そうした事態の発生を何としてでも防がなければならない、という緊迫した要請がある。まさに、スペイン発の"ユーロ防衛戦"だ。

 ただ、今回の措置はあくまでも一時的な"鎮痛剤"であり、長期的な効果を期待することは難しい。ユーロ諸国にとって、スペインでの"ユーロ防衛戦"の戦況は芳しいものではない。

スペインで歯止めをかけられるか

 今回、救済策の実施を渋っていたスペイン政府が、一転して実施の受け入れを表明した背景には、ドイツやフランスなどユーロ圏中核国の説得があったようだ。今後もユーロ圏を維持していきたい中核国には、スペインの信用不安問題がこれ以上拡大することを何としてでも回避しなければならない事情があった。

 このままスペイン問題が拡大していくと、その次にユーロ圏第3位の経済規模を誇るイタリアがターゲットになる可能性が高いのだ。信用不安の火の手がイタリアにまで広がると、恐らくユーロ諸国だけでは手に負えなくなってしまう。

 世界第3位の国債発行国であるイタリアのインパクトは大きく、本格的に救済するとなればかなりの金額が必要になる。それをユーロ諸国だけで捻出できるかは難しいところだ。もし対応を誤れば、イタリア国債のデフォルトリスクが高まり、リーマンショックを上回る痛手が発生する可能性すらある。だから、何としてもスペインで火の手を止める必要があるのだ。

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