日本人は健忘症なのか!? 堕ちた政治をさらに劣化させているのは、熱しやすく冷めやすいメディアと有権者自身である
6月4日に発足した野田第2次改造内閣〔PHOTO〕gettyimages

 野田再改造内閣も発足し、今週の最大の焦点は、「税と社会保障の一体改革」をめぐる自公民の修正協議の行方である。6月21日の会期末までに本法案を採決するという野田首相の方針があり、15日までには修正案を確定するという。

 確かに、自公民の三党が揃えば、数の上では圧倒的多数になり、どのような法案も通ってしまう。しかし、わが党を含め、他の政党も存在しているのであり、このような三党の「談合」が、民主主義や政党政治の視点から正当化される理由はみつからない。

霞が関の役人による政権

 まずは、民主党である。先の総選挙で国民に約束したマニフェストはどうなったのか。食らいつきたくなるようなご馳走を並べたから、有権者は「民主党食堂」の食券をこぞって買ったのである。ところが、店に入ってみると、約束された食事は出てこないばかりか、食べ飽きた「自公食堂」の料理か、それよりもさらにレトロな料理しか供されない。民主党は、食材がないとか何とか屁理屈をこねて、「反省」するのみである。これでは、嘘つき、詐欺以外のなにものでもない。何のための政権交代だったのか。

 普天間基地の移設先について、「最低でも県外」と言っていたはずの民主党が、あっという間にかつての自公案である「辺野古移転」に方針転換したのみならず、民主党に対して最も批判的だった論客の森本敏氏を防衛大臣に任命する。そして、森本大臣は、オスプレイの沖縄配備について、安全性の報告を待たずに配備すると述べて、沖縄の民主党から辞任を迫られている。

 その沖縄でも、選挙の争点は、基地問題のみではない。10日に投票が行われた県議選では、もはや普天間問題は争点にならず、経済や生活が最大の関心事であった。3年前の総選挙のときも、沖縄県民が民主党に投票したのは、子ども手当の支給、後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金の導入などに魅力を感じたからである。それは、沖縄県以外の地域でも同様である。

 民主党は、国民に約束した政策が実現できないことを「ねじれ国会」のせいにしているが、それは自らの統治能力の欠如を告白していることに他ならない。自公政権のときも「ねじれ国会」だったが、何とか政権を運営してきた。今起こっているのは、民主党政権が結局は、霞が関の役人による政権へと堕してしまい、役人にとって最も好ましい政権になっている、という事態である。

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