高橋洋一「ニュースの深層」
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社会保障は「1勝1敗1分け」、では「景気条項」「歳入庁創設」「軽減税率」は?民主・自民・公明3党修正協議という「消費税増税」八百長相撲の行方を読む

2012年06月11日(月) 高橋 洋一
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 社会保障と税の一体改革は、とうとう国会外で民主、自民、公明の政党間協議になった。社会保障分野を先行して協議し、税制分野は6月11日から協議に入る予定で、15日の合意を目指すとしている。おそらく今週はその滑った転んだというニュースで連日話題になるだろう。はたして協議はどのように決着するのだろうか。

 こうした政党間協議はだいたい決着がつく。決着がつかないものは協議しないというのが政治の原則だ。今週いっぱいがデットラインということだが、来週18~19日にメキシコのロスカボスで開催されるG20首脳会議は悩ましい日程にみえるだろう。

 ただし、15日までの3党合意や21日までに採決というが、これらは財務官僚の得意なスケジュール戦法で、デッドラインを設定して相手を追い込んでいくというものだ。政治的には通年国会すべきとかいいながら、会期を大幅延長すれば、こうしたスケジュール設定も無意味になる(国会会期を政治的な駆け引きに使うのは先進国では日本ぐらいなものだ)。総理がG20に欠席するかも、とか、マスコミにリークし危機感を煽るのはしばしば官僚たちが行う常套手段だ。

 なお、今週12日(火)、13日(水)の公聴会が終わると、いつでも採決可能になるのだが、国会外で3党が政党間協議を行い、その結果法案自体が変更される可能性が高いのに、今出されている法案を前提として公聴会を行うのはどういう神経だろうか。

社会保障と税の一体改革の「ルーツ」

 官僚のスケジュール戦法は別としても、どういった協議になるのだろうか。そのためには、税と社会保障の過去の経緯を知らなければいけない。

 もともと社会保障と税の一体改革は、消費税増税をもくろむ財務省が消費税を社会保障目的税として社会保障の衣をかぶせて増税を仕掛けていくものだった。このルーツは、小渕政権時代の1999年に予算総則において書き込まれた消費税を社会保障に使うという便宜的な方策がそもそもの始まりだ。

 ただ、社会保障改革としてさしたる中身はなく、社会保障は消費税増税のための方便になっていた。つまり、社会保障を薄皮にして中身は消費税餡子たっぷりの薄皮饅頭というわけだ。

 その自民党の案を与謝野氏が民主党に持ち込んだのだ。しかし、民主党としてはそのまま自民党のパクリではまずいので、社会保障として、(1)最低保障年金、(2)後期高齢者医療制度の廃止、(3)総合こども園を加えた。

 もっとも今国会で具体的な法案が提出されているのは、このうちでは、(3)総合こども園だけだ。自民党としては、消費税増税部分は本質的に同じであるので、是非ともこの(1)~(3)を民主党から撤回させたい。ただし、自民党もすぐに結論が出ないことを知っているので、社会保障は議論の場を作って長期的に検討するという逃げ道も作っている。

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