「消費増税」に「原発再稼働」って残念ながら、何も変えられない人 もはやこれまで野田首相交代へ

「原発事故の反省はないのか」「焦って増税をする必要があるのか」。そんな国民の声は野田首相には届かない。「壊す」と公約したシステムの保護者に堕ちた人物に、もはや期待することは1ミリもない。

3代続けて6月に?

「非常にまずい状況になってきた。このままだと野田首相は、破れかぶれで衆院解散を打つか、内閣総辞職をしなくてはならなくなる。早ければ6月中旬にもタイムリミットが来る。結局、首相がこれまであらゆる決断を先延ばしにしてきた結果がこれです」

 そう語るのは、野田佳彦首相に近い民主党閣僚経験者である。

 民主党政権にとって、「6月」は鬼門だ。

 鳩山由紀夫元首相、菅直人前首相も、それぞれリーダーシップと指導力に疑問符が付けられ、6月の通常国会会期末を前にして政権がダッチロール状態に陥り失脚した。

 そして野田佳彦首相もまた、「消費増税」と「原発再稼働」の強行により、政権の命運はもはや風前の灯になっている。

 首相は5月30日の会見で、こう言い放った。

「単に夏の電力確保のためだけではなく、エネルギー安全保障、電気料金値上げによる国民負担増の抑制など、日本の経済・社会全体の安全と発展のため、原子力発電は引き続き重要であります」

「そのため、安全が確保された原発は再起動させる必要があると思います」

 大阪市の橋下徹市長ら、関西自治体の首長らが原発の安全性に疑いを投げかけているというのに、首相は関西電力・大飯原発(福井県)の再稼働に踏み切るという。

 専門家による安全確認がなされたわけではない。誰も安全の保証をできない中での再稼働。責任を取ると首相は言うが、事故が起きたら、どんな責任が取れるというのか。

 世論調査でも国民の過半数は、「脱原発」を支持している。だが野田首相は、結局は経産省・電力会社をはじめとする原子力ムラの圧力に負けた。

 これが、民主党が掲げてきた「政治主導」の結末だ。官僚支配を打ち砕くと豪語しながら、大震災でも無反省な既得権者たちに、結局は屈してしまう。鳩山・菅という前任者同様、残念ながら野田首相は、「何も変えられない人」だった。

 しかも、そのやり口は前任者たち以上に陰険だ。再稼働に際し、政府は「夏の電力が足りない!」と、御用マスコミを使って散々煽り立てた。政府が国民を脅迫するというあり得ない手段で地元の自治体を切り崩し、唐突に再稼働の発表を行う。ここまで姑息な首相は、史上稀に見ると言って過言ではないだろう。

 その上、その突然の発表が行われたのは、小沢一郎民主党元代表との会談、そして「消費増税」の宣言という、永田町の一大イベントが終了した直後だった。

「小沢氏との会談と増税への決意表明、そして原発の再稼働。これらを同時にこなすことで、報道の分断・分散を狙ったと言われても仕方がありません。

 個別に問題を報じられたら政権がもたなくなる可能性がありましたが、重大ニュースの連発で、翌日の報道は官邸の思惑通り、バラけて漠としたものになりましたから」(前出・民主党閣僚経験者)

 消費増税関連法案の議論は、首相が「不退転の決意」「政治生命を懸けて」などと言いつつ、昨年からまったく方向が定まらず、迷走してきた。

 その原因は、原発再稼働と同じく、「今は増税の時期ではない」という世論の声を野田首相が頑なに聞こうとしなかったからだ。5%の消費増税による税収増は、13兆円とされる。だが、増税などにこだわらず、この1年を震災からの復興と景気の下支えに専念していれば、税収は自然にそれ以上増えたのではないのか。

「足りないから国民から搾り取る」

 野田首相がそう固執した結果、日本国民は等しく不景気に苦しむ中、さらなる大出血を強いられようとしている。

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