経済の死角

石巻発 海上保安庁の捜索規模縮小に、地元のダイバーたちが立ち上がった遺体捜索ダイバー「国が見捨てた被災の海へ!」

2012年06月10日(日) フライデー
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海中の遺体・車体を含む瓦礫にブイをとりつけていく、門馬氏。多い時には、一日に10個以上とりつけることも〔PHOTO〕矢吹健巳(以下同)
海から上がる門馬氏。ダイビング器材を揃えるには5人で300万円かかり、ギリギリの予算内でやり繰りしている

「遺体が車の間に挟まっていそうだ。海中に4t級トラックと乗用車、農業用の重機が何台も折り重なっている。他にも遺体が沈んでいる可能性が高い」

 5月24日、重さ30kg以上はある空気ボンベなどのダイビング器材を背負いながら、暗い表情で海中から上がってきたのは、宮城県出身のダイバー門馬宏明氏(36)。彼はダイバーら5名とともに結成した特定非営利活動法人『DSP災害支援プロジェクト』の理事長である。宮城県石巻市・大川小学校付近の海中での遺体や遺品の捜索を、昨年5月より週4回は行っている〝遺体捜索ダイバー〟だ。

 彼が今、潜水捜索を行っている長面浦は、昨年4月2日と3日に海上保安庁、自衛隊、宮城県警の3機関合同でダイバー約30人が潜水捜索を行い、「すでに捜索は完了した」(海上保安庁宮城海上保安部・警備救難課)とされている場所だ。いったいなぜ、そのような場所に彼は潜るのか。門馬氏は海保、県警の捜索の〝甘さ〟を指摘してこう話す。

「海保や宮城県警が行っているのは、〝ソナー船〟を使った捜索。ソナーのエコーによって、海上から遺体がありそうな車や瓦礫の山を探し当て、反応があった場所をピンポイントで捜索する方法です。逆に言えば、反応のなかった場所はほとんど捜索しない。海底の泥の中に埋まってしまった瓦礫や車体に、ソナーがすべて反応していたとも思えません。実際に合同潜水捜索に立ち会った地元住民の話によれば、潜水捜索はたった2日間で正味2時間半にも満たなかったそうです。あまりに杜撰すぎます。長面浦はまさに、〝国から見捨てられた海〟なんです」

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