スポーツ

Closeup 藤原新(ロンドン五輪男子マラソン代表)「鋼の心臓、鋼の肉体」

2012年06月09日(土) フライデー
friday
肉を中心に一日4000キロカロリーを摂取するも体脂肪は5%!「体重が5kg増えたら引退を意識します」〔PHOTO〕中山達也(以下同)

 裏切り、孤独、ケガ・・・。絶望の淵から這い上がってきた〝陸上アウトロー〟

 かたや県立高校の職員として働きながらロンドンを目指す公務員ランナー・川内優輝(25)。こなた実業団を飛び出した無職ランナー・藤原新(30)。ロンドン五輪男子マラソン代表、最後の一枠を巡るバトルは異例の〝無所属&ハングリー対決〟として注目を集めた。

 結果---「無収入」とハングリーさに勝る藤原が元世界記録保持者のハイレ・ゲブレセラシェ(エチオピア)までをも抜き去る快走を見せて2位入賞(日本人1位)。ロンドン行きの切符を掴んだのは、周知の通りである。決戦の舞台となった東京マラソン終了後、藤原の置かれた環境は一変した。

「ありがたいことに、10社以上からスポンサーのオファーをいただきました。富山の干物屋さんから、『オオ!』という大企業まで。どう話を進めて良いのか分からなくて(笑)、『ミキハウス』さんに決めさせていただくまで2ヵ月近くもかかってしまいました。柔道、卓球とスポンサーとしてかなりのノウハウも理解もあるのもポイントでしたが、何より、『藤原さんのスタイルでどうぞ』、とおっしゃっていただいたのが大きかったですね」

 ハングリーさはもちろん大切だろう。だが、この「スタイル」こそ、彼に苦難と成長をもたらせたものだった。

「何を考えてるんだ!」

この甘いルックスで女性ファンが急増中。先日の『ぎふ清流ハーフマラソン』では黄色い歓声が上がった。「ペースも上がりましたね(笑)」

 諫早高、拓殖大、JR東日本と、陸上選手としてのキャリアを積んできた藤原。'08年には北京五輪代表の補欠、翌'09年には世界陸上代表に選ばれる活躍を見せたが、'10年3月末をもってJR東日本を退社してしまう。

「自分の頭の中にあった『絶対勝てる練習メニュー』を試してみたかったんです。長距離の練習ってレースより速いペースで走る『スピード走』と、スローペースで走りながら疲労を回復させる『ジョグ』という練習の組み合わせなんですが、僕はスピード走をよりハードに、そして少なめにしたかったんです。量より質。休む時はしっかり休む。それが実業団だと週に2~3日、スピード走をやるし、続けてやることも多い。

 今、僕は1kmを3分切るペースで20km走るスピード走を練習の柱にしています。実業団で走っているランナーが見ても『オオッ!』と言われるぐらい速く、キツいスピード走です。これを基本的に週1回。それ以外の日は朝60分、昼に1時間半のジョグをやる。あとはケガ防止のため、週に1日ずつハリとマッサージ。練習の質は格段に高くなりましたね」

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