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独占インタビュー&5000人の聴衆を魅了した講義の前の素顔を撮った!M・サンデル(ハーバード大学教授)「焼き鳥食べて居酒屋でも白熱教室」
「民主主義の逆襲」と題された特別講義で、サンデル教授は大きなアクションで聴衆に語りかける(5月28日)〔PHOTO〕小檜山毅彦

 東京電力の電気料金の値上げについて、【1.値上げは正当化される】【2.値上げは許されない】、あなたは、どちらが正しいと思うだろうか。

 5月28日、80万部超のベストセラー『これから「正義」の話をしよう』を書いたハーバード大学のマイケル・サンデル教授(59)が東京国際フォーラムに〝降臨〟し、特別講義を行った。設定された質問に二つの答えが用意され、約5000人の聴衆はどちらかを選び、挙手して指名された人は意見を述べるのだ。

 冒頭の東電値上げ問題の場合、大半は2の意見に賛同した。誰かが「東電の損失を電気料金に反映するのはおかしい。代替エネルギーを真剣に試していない」と述べれば、「電気の消費者であることから逃れられないのに、なぜ値上げに反対するのか」と声が上がる。他に、原発事故について【1.避けられない結果とみる】【2.政府と原子力産業があまりにも近い関係にあるから起きた】という、日本人が目を逸らしてはならない問いなどに対して意見を述べ合い、3時間にわたる〝白熱教室〟は、瞬く間に終了した。

 現在、サンデル氏は最新刊『それをお金で買いますか 市場主義の限界』(早川書房)の宣伝を兼ねたツアー中。アメリカ13都市、ロンドン、日本と来て、お次は韓国へと向かう。「疲れは見えましたが、喜んで焼き鳥を食べていました。特別講義をどう展開するかと話し合うサンデル氏は、実にエネルギッシュだった」(大学関係者)といい、居酒屋が白熱教室と化したのだった。

 実は本誌は、サンデル氏の来日に先立つ4月23日、アメリカ・ボストンで独占インタビューを敢行し、〝考えるヒント〟をもらっていた(以下は一問一答)。

Q.原発事故で出た放射性瓦礫をめぐり、被災地以外の地方自治体が、住民の意向を受け、受け入れを拒否するケースが出ている。政府は、補助金を払うなどして自治体に受け入れさせるべきか。