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ITトレンド・セレクト
2012年06月07日(木) 小林 雅一

米国で普及しないグーグル版「おサイフケータイ」、その理由と背景を探る

Google Walletで使われるスマートフォンとリーダー。(Mobile World Congress 2012で筆者が撮影)

 Googleのモバイル決済サービス「Google Wallet」が米国で開始されてから、今月で約1年が経過した。小売店等に置かれた読み取り機にスマートフォンをかざすだけで支払ができることに加え、各種の電子クーポンやポイント・カードの代わりにも使えるGoogle Wallet(写真)は、私たち日本人に馴染み深い「おサイフケータイ」のGoogle版、あるいは米国版と見ることができる。

 世界的なハイテク企業が鳴り物入りで始めたサービスだけに当初大きな注目を浴びたが、1年後の結果は「期待外れ」の印象を拭いきれない。2012年の6月時点で、Google Wallet機能を搭載したスマートフォンはせいぜい4、5機種。使える端末の機種数がこの程度では、同サービスの利用者数は極めて少ないと見られている。

 Googleは今後もGoogle Walletの普及に力を入れて行くことは間違いないが、少なくとも、これまで上手く行かなかった理由は、同社が良い仲間を見つけられなかったことにある。モバイル決済サービスは、GoogleのようなIT企業が単独で成し遂げられるほど単純なビジネスではない。

 そこには決済ネットワークを提供するクレジットカード会社、無線回線を提供する通信キャリア、スマートフォンを開発・製造する端末メーカーなど様々な業界が絡んでいる。彼らの利害が複雑に絡み合い、お互いに様子見や牽制に終始する中で、単にGoogle Walletのみならず、世界各国のモバイル決済サービス(ページ3、表1)は期待が先行するばかりで、実際には足踏みを続けている(対照的に、日本でかなり普及した「おサイフケータイ」はむしろ例外的な存在と言えるだろう)。

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