毎日フォーラム~毎日新聞社

特集「原発のない夏」
再稼働容認でも高まる「原発のない夏」の緊張

2012年06月10日(日) 毎日フォーラム
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猛暑が続いた10年の夏。今年は電力供給の逼迫が警戒される(写真は東京都千代田区で10年7月21日)

 1970年代の石油危機後に原発を基幹エネルギーに据えてきた我が国が「原発稼働ゼロ」の事態を迎えている。昨年3月の東日本大震災で発生した東京電力福島第1原発の事故による不信感から、定期検査で停止した全ての原発の再稼働がストップしているためだ。

 政府は電力需要が増加する夏場に向け、特に需給が逼迫する関西電力管内で15%の節電を要請、西日本の電力各社に関電への融通を指示するなど対策に躍起だ。この夏を乗り切ることができれば〝脱原発〟への大きなターニングポイントになるが、もし大停電が起きれば社会的混乱は計り知れない。そのためか周辺自治体の首長は再稼働容認に傾いたが、「原発のない夏」はすでに始まっており緊張が高まる。

 東日本大震災当時は全国に54基(現在は福島第1の4基が廃炉で50基)あった原発のうち、37基が運転中だったが、その後次々に定期検査に入り運転を停止。5月5日に最後まで運転していた北海道電力泊原発3号機(北海道泊村)が定期検査に入ったことで、国内の原発の全てが止まる事態となった。

 国内の原発が全て止まるのは70年、当時2基しかなかった原発が検査のため停止して以来42年ぶり。10年度には全電力量の26・4%を賄っていた原子力発電がゼロになったという現実は、日本のエネルギー政策が大きな転換点を迎えたことを象徴している。

 政府は福島第1原発の事故を受け、昨年7月電力各社に対し、原発の安全性を確認するストレステスト(安全評価)の実施を指示。その結果を経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会(班目春樹委員長)が了承することを再稼働の条件にすることを決めた。

 原子力安全委は今年3月、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)のストレステストの1次評価の妥当性を了承した。これを受け野田佳彦首相、藤村修官房長官、枝野幸男経産相、細野豪志原発事故担当相の4者が4月13日に原発の安全性を確認し、関電管内で電力不足が見込まれることから再稼働が必要と判断。福井県、滋賀県、京都府などの周辺自治体に協力要請を始めた。

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