もはや「幹事長交代=小沢切り」以外に選択肢がなくなった野田首相。「先送りする政治からの決別」はなるか!?
重大な局面を迎えた野田首相はどう動くのか・・・〔PHOTO〕gettyimages

 野田佳彦首相と民主党の輿石東幹事長の綱引きが続いている。輿石幹事長の仲介で実現した5月30日の野田首相と小沢一郎元代表の会談は事実上、決裂した。小沢元代表は「代表である野田首相から呼ばれれば、1党員として何時でも参上する」と再会談に期待を繋ぐが、野田首相にはその意思がないように見える。

幹事長代行の後任に仙谷氏が浮上

 党分裂回避至上主義者の輿石氏は記者会見や番記者との懇談で、内閣改造と問責決議2閣僚の交代を否定するだけでなく、野田氏が自民党との消費増税関連法案の修正協議入り指示を無視するかのような発言を繰り返している。同氏の本音は、会期末の6月21日に今通常国会を閉じて、消費増税関連法案を継続審議に持ち込むことで"小沢造反"の芽を摘むということではないか。

 一方、野田氏が「政治生命を懸ける」同法案の成立のためには、自民党の同法案対案を"丸呑み"という選択肢以外ない。そして6月第3週に衆院採決の目処としている国会審議が100時間に達するので、野田首相が6月18、19日にメキシコのロスカボスで開催される主要20ヵ国・地域首脳会議(G20)に出席するため、同15日までには採決に持ち込む必要があり、1日も早い自民党との修正協議を始めなければならない。

 ところが、ネックとなっているのが参院で問責決議を受けた田中直紀防衛相と前田武志国土交通相と、スパイ疑惑が報じられた在日中国大使館1等書記官との親密な関係が指摘されている鹿野道彦農水相の処遇である。野党各党の中でも特に自民党は問責決議2閣僚の交代と鹿野氏更迭が修正協議応諾の条件としている。このため野田氏は、週明け早々にも田中、前田両氏の後任人事に踏み切る可能性が強い。

 そしてその焦点は、「俺を切りたければ切ればいい」とまで言い募る輿石幹事長をも交代させるのかどうか、である。前田国交相の後任として名前が挙がっているのは樽床伸二幹事長代行である。野田氏が以前から国会運営について輿石氏に追随する樽床氏に対し不満を募らせていることに加え、衆院選の時期はともかく、橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が擁立する候補に苦戦が予想される樽床氏本人もたとえ短期間でも入閣する方がベターと考えているフシがある。