偏差値30台、40台の学生を最強のIT戦士にする教育(その3) ぬるま湯につかる大学教員による"それなり教育"の被害者である若者たちを、日本発の高度職業教育で救え!

卒業生が講師に---教えることは最高のリーダーシップ教育

---しかし、それだけ厳しい学習計画を実施するには講師養成が間になわないのではないですか?

芦澤: 「学生を教えるより講師を教える方が難しいのは事実です。目標さえ持てば、学生の方が素直です。だから、できる学生をどんどん講師として使います。トップクラスの学生や、過去の卒業生で企業の第一線で活躍している先輩に教壇に立たせます。彼らは経験上、下位の学生の課題や問題点をよく知っています。だから教えるのがとてもうまい。そして、皆をやる気にさせて引っ張っていきながら教えることによってリーダーシップもついてきます。教えることは最高の教育でもあるのです。学生もあこがれの先輩や同級生から学べることは刺激になります」

芦田: 「これは、卒業生を教員として雇用するということではありません。卒業生を評価して、就職させてくれた会社の人事部や重役と交渉して、週に一回くらいは講師として来てくれ、と頼むのです。専門学校の教員は学校に就職した途端に、時間が経てば経つほど企業情報に疎くなって堕落していきます。そもそも専門学校の卒業生で、30歳を待たずして学校に再就職する人というのは大概の場合、実務でキャリアパスを重ねられなかった人なのだから、そんな人が将来のある若者に職業教育出来るはずがない。

 この"派遣"は、エントリーシート評価を経ないで、実際に授業の中に入って人材評価が出来るのですから、企業側も"まじめな青田買い"ができるわけです(笑)。ミスマッチなど起こるはずがない。学生にとっても卒業生・先輩の実務を経た講義は説得力がある。

 またシラバスやコマシラバス、授業カルテなどの教育的な工夫も、卒業生自身が馴染んできた教材ですから、本格的なFDなしに授業を開始できる。芦澤先生が言うように『教えることは最高の教育』で、下手な人事部主催の社員研修をやるよりもはるかに効果があるわけです。IT系の人材はスキルがあってもお喋りの下手な人が多いわけですから、特に効果がある。学校にとっても、企業にとっても、よいことばかりなのです。完全な外注外部講師よりも格安で雇えますしね。なかには『ただでもいいです』と言って下さった社長さんもおられました」

社会人の再教育にもエリートにも応用可能

---これは面白い学習法ですね。若者以外でも応用可能ですか?

芦澤: 「38歳で、すでにIT業界でプログラマーとして仕事をしている人も、JAVAやオブジェクト指向を学ぶのならここしかない、と言って学びに来てトップクラスで卒業したのに再度18歳の若者と一緒に入学し直し、さらに給料のいい就職先を見つけていきました。その人は、一度「アルゴリズム」の授業を私たちの学校に教えに来たことのある先生でした。私たちの学校のカリキュラムと指導法を経験した人だったのです。

 不思議なことに、その彼でさえ、18歳の新卒よりもいつも試験点数が高いわけではなかったということです。しっかりした体系教育=本来の基礎教育を学ばせるには、若いときの学習が決定的なのです。一方で、60代の方を教えたこともありますが、若くなくても、受験戦争を経験した世代のほうが厳しい授業に慣れているので成果を出します。

 整序だったカリキュラムがあるこのIT教育なら、何歳からでも戦力にできます。問題は企業側の"年齢"の概念です。彼らがアメリカのように、年齢ではなく、"何ができるか"で採用してくれるようになれば、ミドルやシルバー世代の再教育・最戦力化に貢献できると思います。芦田先生がいつも力説していますが、若者の失業問題なんて、いくらでも解決できるのです」