野球
二宮清純「史上“最驚”のトリックプレー」

 こういう戦法は滅多に成功しません。だから、やっても無駄だと言ってしまえば身も蓋もありません。奇策に頼らざるを得ないところに横浜DeNAのチーム事情が窺えます。

DeNAが仕掛けた奇策

 5月31日、北九州での福岡ソフトバンク戦。2対2で迎えた8回裏2死一、三塁の場面でDeNAベンチは“フォースボーク”のサインを出しました。

“フォースボーク”とは一、三塁の場面で一塁走者が、偽装スタートを切り、慌てたピッチャーが牽制球を送ったスキに三塁ランナーが本塁を陥れるという一種のトリックプレーです。もうひとつ、ピッチャーのボークを誘うという狙いもあります。

 中畑清監督が奇襲を用いたのは、バッターの一輝にタイムリーの雰囲気を感じていなかったからでしょう。それが証拠に「簡単に2ストライクに追い込まれたらやろうと決めていた」と語っていました。

 この作戦、中畑監督は5月20日の千葉ロッテ戦で一度、成功させています。「ワンチャンスをものにして勝利を掴んでいかないと……」との思いが、奇策の背景にはあるようです。