2012.06.08(Fri)

赤字だけど大トロを105円で売る。ムチャするのが好きなんです。大胆な施策を打ったほうが、商売は面白いですしね

スシロー 豊崎賢一

週刊現代
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 1皿105円というシンプルな価格とお得感で行列が絶えない回転寿司がある。『スシロー』。2005年に400億円強だった売り上げは、'11年には約1000億円と右肩上がりだ。職人からの叩き上げ社長・豊崎賢一氏(47歳)が、快進撃の源になった料理人の道、商いの道について大いに語ってくれた。

 

赤字だけど
大トロを105円で売る。
ムチャするのが
好きなんです。
大胆な施策を打ったほうが、
商売は面白いですしね
とよさき・けんいち/'65年、徳島県生まれ。'83年鳴門高校を卒業後、辻調理師専門学校に入学。'84年に卒業後、株式会社すし太郎(現・株式会社あきんどスシロー)に入社し、寿司職人として腕を振るう。'92年に取締役に就任。仕入部長や営業部長などを経て、'09年に代表取締役社長就任。仕入部長も兼任

武者修行

 私は、食べものは五感で味わい、頭で感じ取るものだと思います。10代の時には、1人前2万円くらいする寿司を勉強も兼ねて食べに行っていました。だから、世の中が「うまい」と言う基準が五感でわかり、なぜおいしいか、どう作るとこうなるかという理屈を頭で感じ取れるようになったのだと思います。安月給を握りしめて行った甲斐がありましたよ。

間が大事

 例えば、コンビニのおにぎりって温めるとおいしい。お米は時間が経つとごはん粒の間の空気が抜けて密度が高くなるんですが、人肌より少し高めに温めるとごはんが膨張してまた隙間ができ、口の中でほぐれるからです。

 出身は徳島県。子供の頃はザリガニをすくって遊んでいました。胴体の尾っぽ側に入っている小さな身を取り出して、ひもに結わえると、今度は亀が喰いつく。そーっとたぐりよせれば離さないから、近くまでおびき寄せて網ですくう。当然、釣りも好きでしたよ。

へたりこむ

 調理師学校を卒業してすぐ、『すし太郎』(現・株式会社あきんどスシロー)に入社しました。朝の6時に仕込みを始め、終業は深夜1時、2時。店が終わって入り口の灯がパッと消えると、みんなその場にしゃがみこんで、誰一人口がきけないんです。最初の休みはオープン3ヵ月後。でも、そんな経験から、言葉にならない何かが得られたと思っています。

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