「欧州不安」「日米金融政策」「消費増税問題」は既に相当程度織り込み済み---株式投資の次の一手はそろそろ「買い!」だ
今年1月4日、取引時間中の日経平均株価〔PHOTO〕gettyimages

 株価が何とも冴えない。日経平均は、先週末、そして今週月曜日も、8,500円台で引けた。8,500円台というと、今年の大発会の寄り付きが8,540円だったので、要は、俗にいう「行って来い」の相場展開が現況だ。

 今年のはじめに、筆者が何を考えていたかを振り返ってみよう。1月5日付の本欄コラムに、「不安を抱える2012年の株式市場だからこそ、余裕と意欲のある投資家はあえて「リスク・テイクの報酬」を狙ってみてはどうか」という長いタイトルの拙稿がある。

 ここから、予想を述べている部分を抽出すると、

「筆者個人としては、株価は、年の前半、4月から6月くらいの時期に震災の復興需要による意外に堅調な景気を映して高値、たとえば10,000円を超えて11,000円に迫るような状況を見せた後に伸び悩み、年後半には、海外発の景気へのマイナス要因から株価が再び8,000円に向かって下落するような状況を予想する」

 とある。

 タイトルにある通り、年初の時点で、「買ってみましょう」と言っているので、その時点としては悪いアドバイスではなかったと思う。しかし、上記の文章を見てお分かり頂ける通り、一年かかっての「行って来い」を予想したのだが、事態の展開は想定よりも早く、半年たたないうちに年初水準まで戻ってしまった。予想として、当たっていると言い張るには無理がある。

 ともあれ、一年分として想定した事柄が既に起こってしまったので、「次」を考えなければなるまい。

欧州は心配した以上に脆かった

 ここ迄の株価上昇要因と下落要因を整理しておくと、上昇要因は、酷すぎた昨年からのリバウンドと震災の復興需要で企業業績が改善したことと、2月に発表された日銀の「インフレ目標」のサプライズ効果の二つだった。

 業績改善に株価が典型的に反応するのは3月決算企業の業績が当期の予想利益と共に発表される5月で、年初の筆者は、そのようなパターンをイメージしたのだが、筆者でなくても「年初時点で予想できた改善」だったのだから、株価の反応が筆者の想定よりも早く表れたのは半ば当然だ。

 一方、後者は「1%」という不十分なインフレ目標ではあったが、市場からは「前よりまし」だと評価された。株式に限らず、市場は「変化」に反応するものだ。「ひどく悪い状態」から「不十分だけれども少しましな状態」への変化には、それが織り込み済みのものでなければ、ポジティブに反応する。今回は、為替市場も反応して円高が反転したし、為替の反転が株価に更にポジティブな影響を与えた。

 しかし、一つには、「インフレ目標」を掲げて期待を持たせた日銀ではあったが、その後の彼らの行動は、少なくとも株式市場の関係者には残念なものだった。そもそも「1%」という数字は過去のデフレの累積や海外(米国は2%だ)との比較を思うと不十分なものだったし、その後の政策決定会合の決定は何れも期待外れだった。

 もう一つの株価下落要因は、欧州の不良債権問題の再燃だ。ギリシャの政治的混乱、スペインの銀行不安の表面化、フランス大統領選挙でのサルコジ氏敗北など、何れも事前に相当程度予想できた問題だったが、いざ出てみると、欧州は、「損失の表面化と十分な引き当て」及び「十分な資本の手当」という不良債権問題終了の二条件をまだ満たしていなかったので、心配した通り、あるいはそれ以上に脆かった、というのがここまでの展開だ。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら