2012.06.16(Sat)

"カフェの本場"で起死回生狙うスタバの「欧州強化」大作戦

ニューヨーク・タイムズ(USA)より
EUROPEAN COUNTRIES

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クーリエ
〔PHOTO〕gettyimages

 米国の大手チェーン、スターバックスコーヒーが欧州に進出して早10年。だが売り上げは伸びず、テコ入れを余儀なくされている。

「スターバックス? 一度も入ったことないわ。チェーンだし、なんの個性もないんでしょ」

 そう話すのは、パリのマレ地区のお気に入りのカフェでエスプレッソを啜る30代のフランス人女性。

 欧州ではいまだに彼女のような考えを持つ人が少なくない。同社の売り上げの大半を生み出しているのは米国市場。欧州・中東・アフリカ地域は売上高の約10%に過ぎず、現在63店舗あるフランスでは、1号店のオープン以来、一度も黒字に転じたことがないという。

 そんな現状を改善するべく、同社は今年3月末、欧州事業を強化する方針を発表した。コーヒーを巡る欧州の"お国事情"を徹底分析し、国ごとに少しずつサービスを変える作戦に出た。

 たとえば、英国人はミルクたっぷりの「ラテ」がお好みだが、同社のものはエスプレッソの味が弱いと感じている、とわかると追加ショットを無料で提供するサービスを開始。英国人は他の欧州諸国の人々に比べ、テイクアウトをする頻度が高いという結論に達すると、今後は儲けが出やすいドライブスルーを郊外に増やすことを決めた。

ニューヨーク・タイムズ(USA)より

 また、フレンドリーさをアピールするべく、店員の名前を覚えてもらおうと、欧州全土でネームタグの着用を義務づけた。商品を渡す際に、客を名前で呼ぶという実験を行っている店舗もある。

 建築面で最も“冒険"したのは、3月にアムステルダムにオープンしたコンセプトストア「ザ・バンク」だ。銀行内にある店舗には、なんと「詩の朗読スペース」まで用意されている。

 ファストフードの王者、マクドナルドは、フランスの店舗では同国産のチーズを使うなど、「郷に入っては郷に従え」の精神に徹し、成功を収めている。「世界のスタバ」も同様の戦略で生き残ることができるか。

「COURRiER Japon」7月号より

 

COURRiER Japon

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