サッカー
ヴィッセル神戸が監督交代! 今期の目標「ACL出場権の獲得」に向けて名将はどう動くか
ガンバ大阪時代の2008年にはACL優勝も経験した西野監督〔PHOTO〕gettyimages

 ヴィッセル神戸の新監督に、西野朗さんが就任しました。今シーズンのJ1では、ガンバ大阪、川崎フロンターレ、アルビレックス新潟に次いで4人目の監督交代となります。

 シーズン途中に指揮権を託される今回のようなケースでは、じっくりチームを作り上げる時間がありません。シーズンオフからチームを編成し、キャンプでコンセプトを植えつけ、コミュニケーションをはかっていくという段階を踏む時間がないのです。

 その一方で、シーズン突入後に監督を交代させたのですから、チーム状況は切迫しています。今季のヴィッセルは「AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権の獲得」を目標に掲げていて、そのためにはリーグ戦で3位に入るか、天皇杯で優勝する必要がある。天皇杯はまだ始まっていませんから、まずはリーグ戦で3位以内を目ざす。

「やりたいサッカー」と「できるサッカー」

 与えられた時間が少ないなかで流れを変え、目前のゲームから勝ち点を取っていかなければならない。経験豊富な西野監督にとっても、決して簡単な仕事ではないでしょう。

 初練習から5日後に行なわれた鹿島アントラーズ戦では、試合途中から選手の配置を変えました。自らの意向が反映されたチーム編成ではありませんから、いま手元にいる選手でとにかくやり繰りをしていかなければならない。かといって、いきなりやり方を変えたら選手が混乱してしまう。

 すでにシーズンは始まっているだけに、自分の「やりたいサッカー」と実際に「できるサッカー」を、必ずしも重ねることはできないのです。その折り合いを、いかにつけていくのか。それこそが、シーズン途中から就任する監督の難しさです。

 幸いにも、Jリーグはブレイク期間に入りました。6月上旬からワールドカップアジア最終予選が行なわれるため、ほぼ3週間の中断期間があります。ヴィッセル神戸からも伊野波雅彦選手が代表に選ばれていますが、幸いと言うべきか、チームを離れるのは彼ひとりです。この時間を有効に使って、西野監督は選手の特徴を見極め、現状の課題を洗い出し、ヴィッセルを再構築しようと考えているはずです。シーズン前のキャンプと同じ位置付けになるでしょう。

 すでにリーグ戦をひとつ戦っているのも、今後へ向けてプラスに働きます。途中から選手の配置を変えたように、修正ポイントはゲームを通して明らかになっていくものです。鹿島戦は1対2で敗れてしまいましたが、西野監督にとっては情報収集の貴重な機会だったでしょう。

 すでに自らのカラーを打ち出しているところもあります。たとえば、ホームゲームの前泊はそのひとつでしょう。

 今シーズンの神戸は、ホームゲームの成績が3勝4敗です。極端に悪いわけではないけれど、際だって良くもない。だが、リーグ戦で上位へ食い込むには、戦い慣れたホームの勝率を上げなければならない。そのためにはしっかりとした食事と休養が大前提となり、環境を整えることで選手の自覚を促すこともできる。様々な効果を見越して、前泊の必要性をチーム側に訴えたのだと思います。

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