「東通」と「大飯」はまったくの別物だ! 安易な臨時再稼働を唱えた橋下発言の罪深さとは
再稼動問題に揺れる関西電力の大飯原発〔PHOTO〕gettyimages

「夏の電力需要のピークをしのぐためだけの臨時の動かし方もあるのではないか」

 関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働問題を巡って、5月20日開催の関西広域連合委員会で、橋下徹大阪市長が発したひと言が波紋を呼んでいる。

 「原発臨時稼働」論自体は、筆者が早くから主張しているものだ。4月3日付のコラム「明暗! 最悪事故の『福島』と避難所『女川』 復興に不可欠な『東通』のルーツを現地取材」をはじめ、本サイトでも繰り返し述べてきた。

 しかし、短慮としか言いようのない橋下氏の発言が筆者の主張と同じ趣旨と受け止められるとすれば、これほど残念なことはない。

 というのは、関電「大飯」と東北電力「東通」では状況がまったく異なっているからだ。東通が臨時稼働に必要な厳しい条件を満たしており、再稼働すべき原発なのに対して、大飯はそうした状態にないからだ。

 このため、橋下発言を、現実的な問題の解決策とする見方には反対だ。東京電力の「福島第一」の悲劇を繰り返さないためにも、大飯の再稼働問題には慎重に対応すべきである

大震災を無傷で切り抜けた東通原発

 未明に、下北半島が震度5強の地震に襲われた先週24日を挟んだ3日間。筆者はその地を視察に訪れていた。青森は福井と並ぶ原子力基地であり、原子力施設とそれらを取り巻く現地の環境を自分の目と耳で確認しておきたかったのだ。