賢者の知恵
2012年07月18日(水) 週刊現代

NHKで特集 大反響! もっと知りたい「時間治療」

ご存知ですか がん、リウマチ、高血圧、高脂血症などに効果

週刊現代
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「時間治療」という言葉を聞いたことがあるだろうか。最新の薬や特殊な機械を使うわけではない。「時間」を意識するだけで、治療効果が上がったり、ダイエットすることもできるというのだが---。

夜中の抗がん剤治療

 大腸がんが肝臓に転移し、手術もできない状態だった30代の男性が「時間治療」を受けたところ、転移がんが縮小。手術が可能になり普通の生活を取り戻すことができた---。

 こんな実話がNHK『あさイチ』や『クローズアップ現代』で紹介され、話題になっている。がんだけではない。リウマチや生活習慣病など、多くの病気に効果を発揮しているという「時間治療」とは何か。

 北里大学薬学部教授の吉山友二氏が説明する。

「人間の身体には生体リズムがあり、同じ薬で同じ量を投与しても、効果が大きい時間とそれほどでもない時間が存在します。その生体リズムや病気の特性に合わせて投薬することで、効果も高く、副作用も軽減できるのが時間治療です」

 冒頭の肝臓に転移したがんの場合、通常は昼間に投与する抗がん剤を、夜中寝ているときに投与し、劇的な効果を上げている。

 しくみは次のとおりだ。正常な肝臓の細胞には抗がん剤を分解する作用があるのだが、この働きは昼に低く、夜中にもっとも作用が高まることが発見された。つまり、夜中に抗がん剤を投与したことで、正常細胞が抗がん剤の影響を受けにくくなり、副作用が軽減されるのだ。治療を受けた冒頭の男性は「髪の毛も抜けなかった」と証言している。

 また、時間治療学の研究を続ける自治医科大学臨床薬理学教授の藤村昭夫氏は、こう説明する。

「抗がん剤を投与する時間によって、血中の薬物濃度や正常組織の傷害の程度が異なることが明らかになっています。正常細胞の種類によってもその傾向は異なりますが、たとえば直腸の粘膜細胞にも抗がん剤の影響を受けやすい時間帯と受けにくい時間帯があります。

 大腸がん患者を対象として、ある種の抗がん剤を一定量、24時間にわたって一定の速度で投与し続けた場合と、明け方の4時および夕方16時の2回に集中的に投与した場合では、後者のほうが副作用の出現頻度が約5分の1に、さらに抗がん剤の効果は2倍になったという報告もあるのです」

 抗がん剤治療は、がん化した細胞だけでなく正常細胞も一緒に攻撃してしまうため、脱毛や吐き気、下痢などの副作用を伴う。個人差もあるが、人によってはひどい副作用に耐えられず、投薬量を減少したり、やむなく治療を中断する場合もある。そうなれば、治療効果が見込めないことは言うまでもない。逆に、副作用が出なければ投薬量を増やせるので、治療効果もより高められるというわけだ。

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