川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」
2012年05月25日(金) 川口 マーン 惠美

太陽光発電は全体の3%!? 「脱原発」維持に向けて現実的な方策を模索し始めたドイツの厳しいエネルギー事情とは

太陽光も風力も、完全実用化にはほど遠いのが現状〔PHOTO〕gettyimages

 ドイツの環境大臣が交代した。ドイツは遠いなどとは言っていられない。独自のエネルギー政策を模索中の日本は、過激で遠大なエネルギー転換に向かって突き進んでいるドイツを、絶対に視野から外せない。ただ、ドイツも暗中模索、いかにスムーズに再生可能エネルギーを伸ばしていくかという方策については、実際は、傍が思っているほど一枚岩ではない。そのジレンマが、環境大臣交代の1つの要因となったことは確かだ。

 まず、順を追っていくと、5月13日、ノートライン・ヴェストファーレン州で、州議会選挙があった。ノートライン・ヴェストファーレンというのは、デュッセルドルフ、ケルンといった人口密集地帯を抱える、ドイツで一番人口の多い州である。そういう意味では、ここでの選挙結果がドイツ中央政府に与える影響は大きい。

 さて、その結果であるが、現在ドイツの与党であるCDU(キリスト教民主同盟)が大敗。来年、総選挙を控えているので、メルケル氏にしてみればこれは悪夢に近い。同州でCDUを率いていたのはノベルト・ロットゲン(Norbert Röttgen)といって、ドイツ連邦の環境大臣、いわゆる脱原発の立役者の1人。メルケル首相との二人三脚は見事だったが、そのロットゲン氏が、州史始まって以来の低得票で、CDUをボロ負けに導いたのである。

 当然のことながら、すでにその夜、野党から「ロットゲンは環境大臣を降りるべきだ」という声が上がった。それに対してメルケル氏は、「ロットゲン氏の更迭はない」とし、ロットゲン氏も続投を表明したが、15日午後、首相官邸で緊急記者会見が開かれ、メルケル氏自らが発表したのは、なんと、環境大臣の交代! 会見の内容を知らされていなかった記者団はビックリ仰天しつつも、「やはり・・・」という感じだったに違いない。

 「辞めたくない」と言っている大臣の首をむりやり切る人事は、2005年にメルケル政権始まって以来、初の出来事だ。実は、この選挙の直前、首相と大臣の間で、ちょっとしたトラブルがあったのだが、それにしても、メルケル氏が自らの権力をまざまざと見せつけた強引な人事だった。

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