Closeup 塩見貴洋(楽天)「星野監督の罵声で甦った150km/h超ストレート」
5月12日のオリックス戦で7回2/3を投げ1失点、今季4勝目を挙げた塩見。昨年の新人王争いでは、西武・牧田和久投手に次ぐ2位の得票を獲得した。154回2/3を投げ、与えた四球がわずか34という安定した制球力も高い評価につながっている〔PHOTO〕濱崎慎治(以下同)

 今季の目標を15勝と宣言。4月のロッテ戦では、プロ最短でKOされた2年目左腕に何が起きた

 試合中にもかかわらず、楽天の2年目左腕・塩見貴洋(23)は、溢れ出る悔し涙を抑えることができなかった---。

 4月18日のロッテ戦、プロ入り最短の2回1/3で4失点KOされた直後のことである。ベンチに戻ってきた塩見は直立不動のまま、星野仙一監督(65)から鬼の形相で怒鳴りつけられた。試合後も星野監督の怒りは収まらず、会見では記者たちに向かい、こう声を荒げた。

「『(前々回登板の4月3日のソフトバンク戦で)本当に完封したの?』と思うくらい、ぜんぜんダメ。左の柱がしっかりしてほしい? あいつは柱じゃないよ!」

 監督に説教され、己のふがいなさに涙した塩見。屈辱の敗戦から1ヵ月が経ち、本誌の取材に当時の心境を吐露した。

「あの日、監督からはキツイ言葉を多くいただきました。『打者への配球を考えて投げろ!』『野球を研究しろ!』『もっと考えろ!』と。本当に悔しい・・・・・・。ただ期待していない選手には、あそこまで厳しいことを言わないと思います。厳しい体験をしましたが、監督の言葉を前向きに受け止めているんです」

 楽天は現在、エースの田中将大(23)が腰の張りを訴え、4月22日に出場選手登録を抹消されるという危機に瀕している。長期離脱は避けられない状況で、5月15日現在、投球練習再開のメドさえ立っていない。ルーキーイヤーの昨年、19勝の田中に次ぐ9勝(9敗)を挙げた塩見が、大車輪の活躍を期待されるのは当然だろう。星野監督の逆鱗に触れた次の試合からは2連勝するなど、チームトップの4勝(3敗)と好調を維持している。塩見の自己分析だ。