磯田道史 第3回 「自然災害は繰り返す。だから私はいままで起きた大地震の古文書を徹底的に読み込むのです」
島地 勝彦 プロフィール

磯田 わたしの実家は岡山藩の分家鴨方藩の重臣でした。小さな藩ですので用人・側用人をしても禄高は120石ほど。領主としては小さいほうですが、それでも家のなかに古文書があったんです。中学生のころ歴史好きだったわたしに祖母が見せてくれました。でもそれを読もうと思ったのは高校生になってからでした。

シマジ 道史って名前がいいよね。

磯田 わたしが生まれるころ、「史」の字が流行っていて、家に代々継がれている「道」の字をくっつけたんです。

シマジ 名前は大切なんだね。子供の将来を予言しているのかもね。

磯田 だから来月生まれてくる息子には、妻の1字を借りて「道真」とつけるんです。

立木 その子は菅原道真みたいになるんじゃないの。こうなったら、道真ちゃんも写真撮ってあげよう。

瀬尾 立木先生の機嫌がよくなってよかった。

立木 おれはシマジに資生堂メンのサイトでセオの顔まで撮らされているんだ。こうなったら何でも撮るぞ。

シマジ そうヤケにならないでください。

瀬尾 まずいことを思い出させてしまったかな。

立木 おれは自慢じゃないが、シマジのシャツや万年筆まで撮らされてるんだ。そのうちはき古したアンダーパンツも撮れって言ってくるような予感がする。清く正しく美しい磯田家の写真を撮って清めたいところだ。

シマジ セオの顔を撮ってレンズが汚れましたか?

立木 セオ、なぜおれはシマジの担当編集者の顔を次から次へと撮らなきゃならないんだ。

瀬尾 立木先生、お言葉ですが、それはぼくの仕事じゃありません。資生堂の仕事です。たまたまぼくはいま掲載されている分にただ一度だけシマジさんの命令で出たまでです。

立木 そうか。セオもシマジの被害者だったのか。