ユーロ圏の金融機関から預金流出が激化!
懸念されるギリシャ・ユーロ圏離脱の可能性

ギリシャでは金融機関の信用格下げにより預金の引き出しが急増している〔PHOTO〕gettyimage s

 足元で、ユーロ圏の信用不安問題は深刻さを増している。ギリシャなど一部の銀行では、自分の口座から預金を引き出す預金者が増えており、一部の報道によると、5月14日、15日の2日間で、ギリシャの預金者は同国内の銀行口座から約12億ユーロ(約1,200億円)も引き出したという。

 預金者が口座から預金を引き出す背景には、同国の金融機関に対する信用が低下していることがある。銀行にとって預金は貸し出し業務などの原資である。今後も、預金の流出に歯止めが掛からないようだと、金融機関の資金仲介機能が一段と低下することが懸念される。

 そうなった場合、経済の必要な場所に資金が回らなくなり、経済活動が大きく阻害されることも考えられる。そうした状況はギリシャだけでなく、既にスペインなどでも発生しているようだ。ユーロ圏の政策当局が対応を誤るようなことになれば、ユーロ圏発の、リーマンショックを上回る規模の経済的衝撃が発生することが懸念されている。

ギリシャの銀行に対して"緊急流動性支援"

 ギリシャの銀行から引き出された資金は、英国やドイツなど相対的に信用力の高い金融機関に流れているようだ。今のところ、銀行の前に長い行列ができて、取り付け騒ぎになっているという情報はないものの、預金の流出は金融機関にとって深刻な問題であることは間違いない。

 一方、ECB(欧州中央銀行)は、既に一部のギリシャの金融機関との直接取引を停止した。背景には、ギリシャの金融機関の資本増強策の遅れがあるという。それに伴い、ギリシャの中央銀行は、それらの金融機関に対して"緊急流動性支援策"の一環として資金支援を行うことになる。