世界中で急成長するソーシャル・アクション署名プラットフォーム、「チェンジ・ドット・オーグ(Change.org)」が日本でも始動へ!!
オンライン署名プラットフォーム「チェンジ・ドット・オーグ」のHPより

 私たちの身の回りに溢れる複雑な社会問題を解決しようとする際、行政組織や大手企業がなかなか取り上げてくれないような課題を正そうとする際、ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアツールを活用することが次第に一般的になりつつあります。

 5月上旬に日本国内の若者が中心になってスタートしたネット選挙運動解禁のためのキャンペーン、「ワン・ボイス・キャンペーン(One Voice Campaign)」には、たった数週間で4,000人を超える人がフェイスブック上で賛同を表明し、連動する形で著名人を含む多くの人がブログや動画インタビューを通じて意見を発信しています。一握りの若者の活動がきっかけとなり、社会の歪みを矯正しようとするアイディアを広く世に伝えるという活動がここ日本でも次第に拡がりを見せつつあるように思います。

 海外に目を向けた際、こうした社会的活動や署名キャンペーンのプラットフォームサイトである「チェンジ・ドット・オーグ(Change.org)」というアメリカ発のオンライン・ペティション(petition=陳情請願)・サービスが、驚異的な規模とスピードで現在急拡大しているということをご存知でしょうか?

 Change.orgはスタントフォード大学卒のベン・ラトリー(Ben Rattray)氏が2007年、当時20代半ばに仲間と立上げたオンラインプラットフォームサービスです。設立当初は環境、貧困、人権、性差別問題に取り組んでいるNPO等と、そうしたテーマに興味を持つ人同士のSNSを志向していたもののうまくいかず、その後は社会課題を取り扱うブログコンテンツメディアを目指していました。それが2011年1月、オンライン署名プラットフォームサービスを全面に打ち出すようになってからというもの、急速に世界的な注目を浴びるサービスに成長したのです。

毎月15,000もの署名キャンペーンを展開

 同サービスを一躍有名にしたのが、2012年2月にフロリダ州で起きた黒人の少年トレイボン・マーティン(Trayvon Martin)さん(17歳)射殺事件に関する、彼の両親による正当な裁きを求めるChange.org上で始めた署名活動でした。

 正当防衛を主張して逮捕も起訴もされていなかったヒスパニック系アメリカ人の容疑者ジョージ・ジマーマン(George Zimmerman)氏に対する起訴を求めるキャンペーンに対し、瞬く間に全米のみならず世界中の注目が集まったのです。結果220万人もの署名を獲得することに成功、4月中旬には第2級殺人罪として容疑者に対し略式起訴を勝ち取ることに成功しました。

 その他にも2012年1月に米アップル製品を製造する中国の工場の労働環境を問題視する報道が米国で相次いだことを受け、労働環境の改善を求める署名キャンペーンがChange.org上で展開されました。結果25万人を超える署名を集めることに成功、アップル側の改善策を早期に引き出すことにインパクトを与えました。

 こうした事例はごく一部に過ぎず、現在Change.org上には大小含め毎月15,000もの署名キャンペーンが世界中で展開されており、サイト登録者も1,400万人を超える規模にまで成長、その数は毎月200万人のペースで拡大しているとのことです。署名キャンペーンはサイト登録すれば誰でもすぐに無料で始められることになっており、アムネスティ・インターナショナルやシエラ・クラブ等、大手NGOからのスポンサー料を得ることで独自のビジネスモデルも構築しています。

 なお、CEOのベン・ラトリー氏は2012年4月、これらの実績を評価され、米タイム紙が選ぶ「世界で最も影響力がある100人」としてバラク・オバマ米大統領、ヒラリークリントン米国務長官、著名投資家ウォーレン・バフェット等と並び、表彰を受けました。

 スカイプでのインタビューに応じてくれたグローバル・ディベロップメント・ディレクターのニック・アラディス(Nick Allardice)氏によると、Change.orgは現在海外12ヵ国においてオペレーションを展開し近く20ヵ国まで拡大を予定しており、積極的に採用活動を展開しているとのことです。世界中のスタッフは現在約140名で、日本にもこの夏以降専任のカントリー・ディレクターが着任予定で、コミュニケーション・ディレクターやシニア・キャンペーン担当者の採用活動も現在行われているところです。

 アラディス氏曰く、近年のChange.orgの急速な成長の背景にあるものは大きく2点あるとのことです。ひとつは社会的な課題に対し、主体的にオーナーシップを持って関与していこうとする市民の意識の変化、そして2点目として、近年の急速なテクノロジーの進化により今まで想像もできなかったようなメッセージの拡散、共有が可能になったことです。加えて、こうしたトレンドはアメリカや欧米の国に限ったことでなく、国毎にアプローチの違いはあるものの、世界中に共通してみられる傾向であることも強調していました。

 Change.org はあくまでプラットフォームプラットフォームであることを自認し、「ソーシャル・アクション・キャンペーンにとっての『ユーチューブ』のようなもの」という表現を例えとして話してくれました。

 現在日本国内の登録者が何人くらいいるか聞いてみたところ、約15,000人が既に登録しているとのことでした。日本は政治文化、アクティビズムのあり方に関し欧米とは異なる文化があることも尊重した上で、是非Change.orgの活動に興味と情熱を持った方に参画頂き、ムーブメントを日本でも拡大していきたい、と力強く語ってくれました。

 ご興味をお持ちの方は是非以下のリンクからご応募ください(締切は5/30)。

コミュニケーション・ディレクター
シニア・キャンペーン担当者


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