増税大連立が水面下で進行中。民主・自民良識派はせめて日銀法改正の実現を

 5月21日朝、金環日食が見られる。国内では25年ぶり、東京では173年ぶりだ。天気があまりよくないようだが、どうなっているだろうか。なお、見るときには肉眼ではダメなことはもちろん、サングラスもダメだ。専用グラスが必要だ。私も購入して、ちょっとかけてみたが、普通の電球くらいの光は通さないくらい「真っ黒」だった。このくらいでないと目を痛めてしまう。金環日食観測は気をつけてやろう。

 日食は、太陽と月、そして地球が一直線上に並んだ現象だ。政界では、消費税増税で、野田民主党、谷垣自民党、小沢グループを含む民主党内増税反対が直列になるかどうかで右往左往している。本コラムでこれまで書いてきたように、消費税増税・解散先送りで、この条件は整いつつある。表向きはまったく動いていないようにみえても、水面下では消費税増税法案の修正談合、民主党の社会保障関係法案の取り下げが進行しているとみている。

 消費税増税法案では、軽減税率の導入、歳入庁や給付付き税額委控除の取り上げ、増税のためのマクロ経済環境などが協議されているようだ。軽減税率は、消費税の逆進性からの弱者対策というが、実のところ、個別商品ごとの「租税特別措置」である。商品の線引きの難しさから軽減税率の対象になるかどうかは、官僚の裁量が大きくなり、官僚や族議員の既得権を生む。日用必需品に軽減税率を適用するといっても金持ちも対象になるので、その効果は給付付き税額控除で直接所得補償する方法より劣っている。

歳入庁の設立は絶望的

 軽減税率はこうした官僚利権にもなるので、欧州では歴史的経緯で導入されているが、なくして給付付税額控除で対応する方向だ。消費税増税でも酷い政策なのに、その上にさらに官僚天国の政策を上乗せするとはあきれはてる。しかも、これは、消費税賛成の論調で一致団結していた新聞協会へのご褒美かもしれない(昨年7月25日付け本コラム「「米国債はデフォルト危機」と大騒ぎする日本の新聞は「財政破綻」「増税」は好きが、自分たちだけ「軽減税率」求める浅ましさ」 )。

軽減税率は、歳入庁を取り下げるにも都合がいい。というのは、給付付税額控除には歳入庁を創設して、しっかり所得や資産の把握が必要だが、とりあえず軽減税率を導入しておけば、給付付税額控除の導入が防げて、一緒に歳入庁も先送りできるのだ。歳入庁は、社会保障保険料の徴収漏れ(10兆円程度?)を防げるので社会保障制度の確立のためには不可欠な制度であるが、財務省の反対が怖くて、野田民主党では絶望的だ。これもできないと、マニフェストはまた一つできなくなる。

社会保障関係法案で、民主党は、子ども・子育て支援法案、総合子ども園法案、国民健康保険法改正案、公的年金財政基盤強化などのための国民年金法改正案、被用者年金一元化法案、労働契約法改正案などがある。

民主党は、後期高齢者医療制度廃止法案を事実上断念している。また、最低保障年金創設も、自民党から強く撤回をいわれており、棚上げする可能性が強いと思い。そうした大物を除くと、今でている法案はどれも技術的で小粒である。これらをそこそこ成立させて、民主党は社会保障改革をやったといい、その他は今後やると言い張るだろう。

 なお、被用者年金一元化は、いわゆる三階建て部分の「職域加算」への国費投入が曖昧など、安倍政権で提出したものより後退した内容だ。やはり公務員労組をバックとする民主党では公務員年金改革は難しいのだろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら