偏差値30、40台の学生を一流のITエンジニアにする教育法
ゆとり教育の被害者を稼げる人材に変えよ!(その1)

数学なしでも一流ITエンジニアになれる

 この連載では今まで世界のエリート教育に重点を置いて紹介してきた。今回はボトムアップ教育について書いてみる。日本にはエリート教育が足りないことは口を酸っぱくして繰り返してきた。しかし、今や日本のボトムアップ教育も“ゆとり教育”のせいで崩壊の危機にある。ゆとり教育で“学力”と“知識”を失った日本の若者は被害者だ。日本の未来は若者が担っている。彼らの戦闘能力を底上げするしか希望はない。そこに果敢に挑戦し結果を出している事例を紹介する。

 入学当時は偏差値30台、40台だった学生(中には不登校児も少なくない)を、東大や東工大の学生を押しのけて、日本総研、ヤフー、日立ソフトエンジニアリング、リコーテクノシステム、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ、NTTデータ通信、ドワンゴといった日本トップクラスのIT企業に就職させるカリキュラム開発や教育体制の構築に取り組んできた芦田宏直氏(前・小山学園理事、現・人間環境大学副学長)、および芦田氏の下、実際に授業で学生を育ててきた芦澤昌彦氏(元・東京工科専門学校講師)に話を聞いた。

―ITエンジニアと言えば高度な数学が必須と考えてしまいます。数学ができなくても一流のITエンジニアになれるのですか?

「もちろん、3Dのゲームや機械制御には数学が必要です。しかし、現在のWebを中心としたITは、コンピュータ特有の二進数の世界から離れようとしています。その鍵を握っているのが、すでにソフトウェア開発において主流となっているオブジェクト指向という技術です。これは数理的な思考から極力離れて、概念と概念を組み合わせるようにしてソフトウェアを開発する技術です。いわゆるプログラム言語もその流れの中にあります。オブジェクト指向言語の代表格はJava。Android(アンドロイド)のアプリはJavaで書かれており、iPhoneのアプリもObjective-CというJavaに近縁の言語で書かれています。特殊な数理的知識が不要なのは、Javaを教えている私が文学部出身で哲学専攻という事実からもわかるとおりです。私の場合、コンピューターのプログラミングを学び始めたのが31歳、Javaの勉強を始めたのが、38歳です」

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