伊藤博敏「ニュースの深層」
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福島第二原発が立地する楢葉町商工会長「逮捕」で表面化した「復興事業」と「町のボス」の関係

2012年05月17日(木) 伊藤 博敏
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「土建屋で政治好き。格好は派手だったし、人相風体は"ソッチ系"と見えなくもなかったけど、素顔は世話好きで気のいい親方。拳銃所持で逮捕と聞いてびっくりだ」

 福島第二原発が立地する楢葉町で、商工会長を5期務め、そのほか漁業協同組合の組合長、建設業協同組合の代表理事を務めるなど、文字通り「町の顔役」だった渡辺征・渡辺興業社長(68)が逮捕された。

 渡辺容疑者の「横顔」を楢葉町の政界関係者に尋ねたところ、返ってきた答えがこれだった。事件は、「告発」をもとに、警視庁組織犯罪対策5課が家宅捜索すると、いわき市の渡辺興業事務所の机に、38口径の拳銃一丁と実弾数発が発見されたというもの。

 なぜ、拳銃が必要だったのか。

 入手経路も含め、動機の解明はこれからだが、「顔役逮捕」で改めて判明したのは、最大の公共工事となった除染作業をめぐる疑惑である。

環境省直轄の除染事業を初めて受注

 昨年末から本格化した放射性物質を取り除く除染作業は、福島第一原発から近い高濃度汚染地域を国が直轄で、それ以外の低濃度汚染地域は地方自治体が自前で行うことになっている。

 昨年、第一弾として始められた「除染モデル事業」は、南相馬市、川俣町、浪江町、飯館村のグループAが大成建設グループ、田村市、双葉町、富岡町、葛尾村のグループBが鹿島グループ、広野町、大舘村、楢葉町、川内村のグループCは大林組グループが請け負った。

 がれき処理と同じで、ゼネコンをトップとする共同事業体が受注、ゼネコンが仕事を地元業者に万遍なく割り振る、という形が定着している。

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