僕たちの「給料」は、なぜその金額なのか?
「同じ社内で、全然仕事をしない(仕事ができない)のに、自分と同じ給料をもらっている人がいるなんて許せない!」 63.5%
「自分は、もっと給料をもらってもいい(今の給料は少なすぎる)」 70.7%

 前回のアンケートで、みなさん、自分の給料に対して不満を感じている実態が浮き彫りになりました。

 給料金額に不満に感じているということは、「その給料は妥当ではない」、と感じてるということですね。では、みなさんは、自分の給料がいくらであれば妥当なのか、論理的に説明できるでしょうか?

5月17日
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「同期の中では一番高い給料をもらっていい!」

「あの人よりは、当然評価されるだろう」

 というような相対的な尺度ではなく、「自分の給料は『○○万○千円』が妥当!」と論理的に説明・主張できるでしょうか?

 おそらく、そういう方はほとんどいないと思います。

 つまり、給料金額の決まり方を論理的に把握している方はほとんどいないのです。

「これが業界の相場だから」

「だいたい、このくらいだろう」

 では、その業界の相場や「このくらいだろう」という基準値はどうやってできたのでしょうか?

 つまり、多くの方が、給料の決まり方を知らずに、「もっともらえるはず!」と感じていたのです。そして、給料の決まり方を知らずに「もっと給料を増やしたい」と努力をしていたのです。

 では、その「給料の決まり方」とは一体、何なのでしょうか?

答えは『資本論』に書いてあった

 ここからカール・マルクスの『資本論』で説かれている理論をベースに給料の決まり方を説明していきます。

(『資本論』というと、「共産主義の経済学!」「古臭い理論で現代には使えない!」と感じるかもしれませんが、それは誤解です。『資本論』は「資本主義経済の本質を分析した理論書」で、またその理論は、日本経済の構造を見事に説明できます)

 経済学的に考えると、給料の決まり方には、

 1.必要経費方式

 2.利益分け前方式(成果報酬方式)

 の2種類があります。

 1の方式を採用しているのが、主に伝統的な日本企業です。

 日本企業では、その社員を家族として考え、その家族が「生活できる分のお金」を給料として支払っています。これが、「必要経費方式」という考え方です。

 この「生活できる分のお金」を、マルクス経済学では「労働の再生産コスト」と呼びます。たとえばこういうことです。

 社員のYさんが労働者として1日働けば、おなかが減ります。そのため、翌日も同じように働くためには食事をとらなければいけません。ここで食費A円が必要です。

 また、1日働いて体力を消耗すれば、休む場所が必要です。つまり寝る場所が必要で、ここで家賃B円がかかります。

 さらに、毎日同じ服を着て過ごすわけにもいかないので、洋服代(クリーニング代)C円も必要です。

 さて、話を単純にするために、このYさんが翌日も労働者として働くために必要なのは、この3つだけだとしましょう。そうすると、このYさんの労働力の「再生産コスト」は、

 再生産コスト=A円+B円+C円

 となります。そして、この金額が給料の「基準」になります。これだけあればその労働者が明日も生きていかれる、明日も同じように労働者として働ける、のです。

 給与体系がこのような考えに基づいていると、「その社員がいくら稼かせいだか」「いくら会社に利益をもたらしたか」などの成果・業績と給料は無関係になります。どんなに会社に利益をもたらしても、基本的に給料は変わらないのです。

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