Close up 〝育成の星〟山田大樹(福岡ソフトバンクホークス)「我がギャンブル人生は最高です」
身長189cm、体重は約100kg。〝和製ビッグユニット〟の武器は〝動く直球〟と「ピンチが楽しい」という強心臓

 同期はマー君、ハンカチ王子。年俸240万円、背番号121でスタートした男の強心臓ピッチング

 ボールを筆に握り替え、相対するのは打者ではなく1枚の半紙。書道五段の山田大樹(23・福岡ソフトバンクホークス)が、身長189㎝の大きな身体を折り曲げて、さらさらと書いたのは「柱」の一文字。

「今季は1年間、ローテを守って15勝するのが目標です。太く、力強く―まさかヤフードームで書道をするなんて想像してませんでしたけど(笑)」

 昨オフ、杉内俊哉(31)と和田毅(31)の左腕2枚看板がそれぞれ巨人、オリオールズへ移籍。昨季最多勝のホールトン(32)も巨人入りした。先発ローテの軸が3人も抜ける異常事態。だが、苦戦は必至とされたチームはAクラスをキープ。それは、山田が文字通り、先発ローテの「柱」となっているからだ。

 4月10日の日本ハム戦から5月1日の同じく日ハム戦まで20イニング連続無失点に抑える好投もあって、今季ここまで4勝1敗、防御率は1点台(5月7日現在)と抜群の安定感を見せている。

 山田の台頭は、球界の流れでもある。同級生には「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹(日本ハム)、田中将大(楽天)、前田健太(広島)らビッグネームがズラリ。いわゆる「プラチナ世代」の一員なのである。だが、山田は照れたように首を横に振った。

「彼らは別格。僕は歩んできた道が、みんなとは違いすぎますから」

 斎藤と田中が投げ合った '06 年夏の甲子園決勝はいまだ記憶に残る名勝負。だが、山田は甲子園の土を踏むことすらなかった。彼らのように多額の契約金をもらってプロ入りしたわけでもない。

  '07 年、つくば秀英高(茨城)から育成ドラフト1巡目指名で入団。