小沢控訴は野田政権には追い風。増税の可能性は強まり、解散は遠のいたとみる
小沢控訴で今後の政局はどう動くか〔PHOTO〕gettyimages

 政治資金規正法違反の罪で強制起訴された民主党の小沢一郎元代表を無罪にした東京地裁判決に対して、検察官役の指定弁護士が控訴した。この後、政局はどう動くのか。

 控訴についての見方を先に明らかにしておきたい。私は、この控訴がどうも納得できないのだ。

 小沢は国民から選ばれた検察審査会が「起訴すべきだ」と議決したのを受けて、指定弁護士が強制起訴した。起訴を決めた「主役」は検審であって、指定弁護士はいわば検審の「代理人」である。

 小沢は一審の裁判で無罪となった。起訴を決めた検察審査会が無罪判決を不服として「控訴すべきだ」というなら、まだ分かる。しかし、検審の代理人にすぎない指定弁護士が、主役の検審をさしおいて、どうして控訴できるのか。

 検審制度は検察官が不起訴と判断した場合について、素人である国民の目で再チェックさせようという趣旨であるはずだ。強制起訴を決めた東京第5検察審査会の議決要旨(2010年9月)も「国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度であると考えられる」と述べている。

 そんな制度の趣旨から考えれば、無罪判決から控訴に至るプロセスで、もう一度「国民の目」が入っているなら理解できるが、いきなり代理人が主役にとって代わって決めてしまうのは乱暴ではないか。

 普通の裁判だって検察が控訴するときは、高検や最高検の上級庁に相談する。それを、今回は3人の指定弁護士だけで決めている。主役の国民はどこかに消えてしまった。