伊藤博敏「ニュースの深層」
カテゴリーアイコン

グリー、DeNAなどソーシャルゲーム業界は「役所とマスコミ連合軍」につぶされるのか?コンプガチャ規制の背景にある消費者庁、警察庁の「縄張り争い」

2012年05月10日(木) 伊藤 博敏
upperline

 発端はゴールデンウィーク(GW)の真ん中、5月5日付けの『読売新聞』が、1面トップで報じた「コンプリート(コンプ)ガチャ規制」だった。

 正直にいって、携帯電話などを使ったグリーの「探検ドリランド」、DeNAの「怪盗ロワイヤル」といったソーシャルゲームで遊んだ経験のある人か、成長産業としてのソーシャルゲーム業界を認識する証券・ビジネス関係者でなければ、「コンプガチャ」の意味も含めて、記事の中身を正確には理解できなかったのではないか。

 記事を読んでも、「高額料金請求の怪しい携帯電話商法」というイメージしかわかない。消費者庁が「コンプガチャ」を景品表示法に違反しているとして、近く中止を要請するというのだが、規制の前提事実として『読売新聞』が挙げているのは、ゲームを有利に進めるレアアイテムを取得するために、カプセル入りのおもちゃ販売機のガチャガチャをイメージしたネット上の「ガチャ」を引かせ、男子中学生が1ヵ月に40万円以上、小学生男児が3日で12万円も使ったという実例だった。 

消費者庁と警察の縄張り争い

 さすがに証券市場の反応は早かった。

 GW明け後の5月7日、ソーシャルゲーム業界は売り一色となり、代表銘柄のグリーもDeNAもストップ安をつけ、2,000億円近い時価総額を吹き飛ばした。5月8日には、落ち着きを取り戻したものの、「規制ひとつでどうにでもなる産業」であることを露呈、ビジネスモデルを懐疑する投資家が増えた。

 それにしても、携帯電話などのゲームにまったく興味のない人にとって、報道の意味さえつかめない規制が、証券市場を揺るがす事件となる。そんな企業が、日本経済の牽引車となっているのが現実だ。

 ソーシャルゲーム業界の問題は、射幸心をあおって「ガチャ」を続けさせる高額請求だけではない。ゲームから離れられず、生活に支障をきたすヘビーユーザー問題が発生している。

 監督官庁にとってもマスコミにとっても、批判しやすい材料が満載である。

次ページ  実は、今月中にも「景品表示法…
1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ