リッキー・ファウラー初優勝に思う。 「勝利の連鎖」は本当に起こる!?

2012年05月08日(火) 舩越 園子
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連鎖が起こる条件

 友達から友達へ、勝利の連鎖。とはいえ、その連鎖は、友達であれば誰でも勝たせてくれるような魔法ではない。連鎖反応が起こるためには、言うまでもなく、その大前提となる条件がある。

 1つは、技術面の裏付けだ。ファウラーはマスターズ後、すぐ翌週こそ予選落ちしたものの、2週間後からは調子がぐんぐん上がり、先週のチューリッヒ・クラシックでは10位。「スイングもショットも、すごくいいと感じていた。十分に優勝できるだけの技術を持っていると僕は思っている」。そう言い続けていた。

 「自分は米ツアーで優勝できる」とファウラーが感じたのは09年のデビュー時だった。プロ転向直後にフォールシリーズに推薦出場したファウラーは、第1戦でいきなり7位、第2戦でプレーオフに絡み、惜敗して2位。その時点から「少なくとも優勝争いができるだけの力が自分には備わっている」と彼は手ごたえを感じていた。

 無論、その後も技術を磨き続け、ショートゲームの向上、とりわけバンカーショットの練習に注力してきた。これまで米ツアーで4度も2位になり、昨年末は韓国オープンでプロ初勝利も挙げることができた。チャンピオンになるために求められる技術は、とうに身に付けていたのだが、どうしても米ツアーの優勝には、ぎりぎりで手が届かなかった。

 ついに、未勝利状態から抜け出し、チャンピオンの仲間入りをするための最後の一線を越えることができたのは「コースマネジメントと忍耐と集中力の維持のおかげ」。待望の勝利につながった直接的な要因は、技術面より、自信や忍耐、集中力といった精神面、そしてマネジメントという思考面だったとファウラーは振り返った。

 幼いころから、オーガスタの72ホール目でウイニングウォークする自分の姿を夢見ながらクラブを振ってきた。それゆえ、これまでの優勝争いでは、しばしば、ウイニングウォークしている自分をラウンド中に想像し、崩れてしまった。そんな失敗をどれほど繰り返し、悔し涙をどれほど流してきたことか。

「今日は、そんなふうに先走る自分の思考を、プレー中、幾度も引き戻した」

 優勝を目前にしながらグリーンに向かうときも、「真剣さを失っちゃいけない、まだやるべきことが残っているんだと必死に自分に言い聞かせた。(1.2メートルのパットは)実際より長く見え、いわゆるOKパットの距離ではない、油断はできないぞと思って集中を取り戻した」

勝負に出るとき

 ファウラーの勝利の決め手となったのはプレーオフの第2打だった。もしも何ホールにも渡る長期戦になったら、強豪のマキロイやベテランのポインツが有利になると考えたファウラーは、早期決戦を望み、勝負に出た。

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