新しい資金調達のプラットフォーム、「クラウドファンディング」の急速な進化
「寄付型」「報酬(リワード)型」「エクイティ(投資)型」等のクラウドファンディングのモデルを描いたインフォグラフィック(The Business Alliance for Local Living Economies (BALLE)作成)

 ここ最近「クラウドファンディング」ということばを耳にした人も多いのではないでしょうか?

 「クラウドファンディング」とは、インターネットやソーシャルネットワーキングサービスを活用することで不特定多数の人から資金や寄付を集める手法のことを指すと言われています。

 日本国内での最近の目立った事例としては、ロンドンオリンピックに出場予定のマラソン選手藤原新氏の活動費をみんなで寄付しようというオンライン動画共有サイト「ニコニコ動画」の企画がありました。たった1週間で2万人から合計1,050万円分の支援が集まったことが話題になりました。

 その他にも、昨年の東日本大震災以降立ち上がった様々な社会貢献プロジェクトや、アート作品等に対し、共感を数多く集めたプロジェクトに対する資金提供という形で、今までは考えることが出来なかったような新しい資金調達の方法が拡大しつつあります。

 国内では「READYFOR?」、「CAMPFIRE」、「motion gallery」等が主要なプラットフォームとして注目を集めつつあり、その他各種テーマ特化型のサービスも生まれつつあります。

 一方、海外に目を転じると、過去1ヵ月ほどの間にクラウドファンディングを巡る目覚ましい動きが立て続けに報道されました。代表的なクラウドファンディングサービス(キックスターター)の急速な成長ぶりを示すデータや事例から見える成長実績の大きなスケール、そして国の政策としての起業家や中小企業支援のための法的な措置(JOBS Act)の成立のニュースです。

 いずれも資金調達、ひいてはビジネスのあり方についての大きな潮目の変化を感じさせる出来事でしたので簡単にご紹介したいと思います。


クラウドファンディングサイトの代表格「キックスターター」が3周年。延べ調達額は2億ドル(約160億円)以上

 自主制作映画や音楽の業界では圧倒的な知名度を持ち、クラウドファンディングサービスの代表格とも言われる「キックスターター(Kickstarter)」は、2009年4月にサービスをスタートさせ、この春ちょうど3周年を迎えました。ニューヨークタイムズの記事によると、累計で2万件以上ものプロジェクトに対し、約2億ドル(160億円)以上の資金が集められたと報じられています。

 同記事がまとめたプロジェクトのテーマ毎の調達成功件数、合計調達額と平均調達額をまとめたグラフを見ると、映像、音楽関係のプロジェクトはいずれも7,000件以上資金調達に成功していて圧倒的に数が多く、調達額の合計もそれぞれ6,000万ドル、3,800万ドルと大きな割合をしめています。一方、平均調達額が大きいのは、デザイン、ゲーム、テクノロジーのカテゴリーに顕著で、それぞれ3万ドル近くに達しています。

 4月11日に掲載されたテクノロジー分野のプロジェクトはあっさりと今までの資金調達の記録を塗り替えるものでした。スマートフォンと連動する腕時計(スマートウォッチ)「Pebble Watch」の場合、最初の28時間で100万ドルの調達に成功、その後1ヵ月弱の期間を経て6万人近い人から900万ドル(約7億2,000万円)近い資金の獲得に成功するという偉業を成し遂げています (資金調達は5月中旬まで継続するため、1,000万ドルを超える可能性も十分にあります)。

キックスターター史上最大の資金調達に成功した「Pebble Watch」

 クラウドファンディングには社会貢献型プロジェクトに対する「寄付型」として資金調達が行われる場合もあれば、この「Pebble Watch」のように、共感するモノやサービスを事前に予約購入する「購入型」のタイプも含まれます。その他、次にご紹介する起業家や中小企業に対する「投資型」、或は「融資型」の形態も無視することができないしくみです。

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