証券監視委が今年度の検査方針にしている「投資一任業者への集中検査」で「第2のAIJ」は何社出てくるか

 AIJ投資顧問事件は、「第2」「第3」のAIJ類似業者の発覚へとつながり、とてつもない広がりを見せるのではないか――。

 事件当初からこうささやかれて事態が、その通りに進行しそうだ。

 金融庁は事件を受けて、登録している265社の投資顧問業者を対象に第1次調査を実施。その結果を踏まえて、4月27日を期限に、第2次調査を実施した。調査結果は、そのまま強制調査権のある証券取引等監視委員会(証券監視委)に持ち込まれた。

 証券監視委が、4月27日に発表した「今年度の検査方針」によれば、「企業年金の資金運用をめぐる(AIJのような)こうした実態が明らかになったことを受けて、金融庁による一斉調査の結果等を踏まえ、(投資一任業者への)集中的な検査を行う」ことが、決まったという。

「憶測につながるのでお答えできない」

 調査結果がわからない段階で、なぜ「とてつもない広がり」が予測できるのか。

 2次調査を受けた投資顧問業者が、率直に感想を述べる。

「4月6日付けで金融庁が提出を命じた報告書は、微に入り細をうがったものでした。投資顧問業者に“丸裸”になれというのに等しい。もちろん時価情報をごまかして報告するのは可能ですが、証券監視委の検査があれば、たちどころにバレてしまいます。そんな業者が、何社もあると思います」

 今回、金融庁の口は重い。

 4月6日、第1次調査の結果は公表したのだが、これはアンケート調査をもとにした「概要」で、詳細の報告を命じた第2次調査については、「何社を対象にどんな調査を行ったのか」という基本的な質問に対しても、「憶測につながるのでお答えできない」と、神経質だ。

 中堅投資顧問幹部は、「1次調査の段階で、いい加減な運用姿勢が垣間見えて、金融庁は暗澹としたのではないか」として、こう語る。

「投資一任契約の状況は、運用資産の合計が89兆3575億円。そのうち年金が公的と私的を合わせて54兆4294億円でした。また、運用スキームについては、外国籍ファンドを組み入れているのが112社で48・9%。時価情報を入手できない資産を組み入れて運用を行っている業者が109社で47・6%でした。

 AIJがそうであったように、外国籍ファンドも時価情報が入手できない資産も、隠蔽やごまかし目的に使われること多々あります。そうした運用を手がけている業者が半分もいて、90兆円近い資産を預かっている。金融庁ならずとも愕然とします」

 AIJ事件以降、金融庁には金融関係者からの通報が相次いでいる。4月27日、匿名が基本の「情報受付」から一歩踏み込む形で、「年金運用ホットライン」を設け、確度の高い情報を実名で募集することになった。それだけ「怪しい業者」は多い。

 すでに、金融業界には「証券監視委はピックアップした数十社のなかから10社を重点的に調べる。なかでも『第2のAIJ』の最有力候補は野村證券OBが社長を務めるX社だ」といった情報が飛び交い、疑心暗鬼が広がっている。

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