グーグルで最も出世した日本人が吠えた!国籍、人種は無関係。真に戦えるグローバル人材の必要条件はこれだ!

2012年04月30日(月) 田村 耕太郎

日本では何であれ失敗は悪い評価の対象だが、世界では違う。もちろんその内容は大事。説得力ある目標実現のために、計算されたリスクを取りながら、精一杯努力しての失敗は高評価を受ける場合がある。

また気軽にノマドとかいう人もいるが、実は世界で戦って勝ち抜くためには上記のような武器や肩書や実績が不可欠なのだ。そして上記の武器や肩書を持った人材がすでに世界中にけっこういて、毎年新たにゴロゴロ生まれている。

ほかにも対談の中で出た有意義な話としては、知識(歴史・哲学・数学・宗教・科学)の詰め込みが大事、世界のエリートがどう育っているか、がある。

この連載でこれらについては折に触れ指摘してきたがとても大事なので、あらためて書いておく。

詰め込まないと創造力も個性も生まれない!

 今の日本の大学生の多くは日本の教育制度の犠牲者である。人口減少で大学は全入時代を迎え、“極度の詰め込みによる受験戦争を勝ち抜くと言う”経験をしたものが昔に比べて極端に少なくなっている。知識が詰め込まれていないところに創造力も個性もない。芸術や音楽やスポーツだって知識の詰め込みが脳や肉体にないといいパフォーマンスはできないし、いいものかどうかの評価さえできない。

一般的に欧米のエリートは日本に比べて中高時代に勉強していない印象があるが、それは大きな間違いだ。真のエリートは中高時代から日本人がびっくりするような教育を受けている。ボーディングスクールだ。

 片田舎の巨大なキャンパスで、世界から集まった同世代と全寮制の生活をしながら、哲学、歴史、数学、宗教、科学などを徹底的に叩き込まれている。しかも先生も寮に住み込んでいるのも勉強は教えてもらえる。やっているのは勉強に加え、スポーツ、チャリティー、音楽芸術である。これらの活動を忙しく行いながら、時間管理術を身に着け、自分のスタイルや長所を見つけていくのだ。強烈なつめこみの中で真の個性や創造力やリーダーシップが獲得される。

グローバル企業や世界各国の政府の幹部はこういう教育を身に着けた連中ばかりである。一方われわれは中高で、彼らのように歴史や哲学を学んでいるだろうか?多くはノーである。

 組織内でのリーダーシップの技術として、深い話をできる能力は大きい。多様な人種や信仰に囲まれながらも、歴史や哲学の知識を正確に幅広く披露できれば、同僚や部下を「この人物は知識の蓄積がある深い人間でリーダーとして正しい判断ができる」と印象付けられる。

スポーツや芸術の経験も大きい。ゴルフやテニスやスカッシュや乗馬のように長い間社交の場で使える技術はビジネスでも生きてくる。パーティーで即興で社交ダンスやピアノやバイオリンを披露したら受ける。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。