2012.05.01(Tue) フライデー

フォトルポ 稚魚・シラスウナギの大不漁で高騰。庶民の口に入りづらくなったスタミナ食に朗報!「バカ高」鰻重を安く!〝どこでもウナギ養殖〟の画期的技術

筆者プロフィール&コラム概要
エビや魚粉、ビタミンなどを練り合わせた餌を与えると、ウナギの稚魚が一斉に群がり、数分でなくなった〔PHOTO〕船元康子(全点)
山本俊政准教授は「内陸地でも養殖ができるようになれば、日本の新たな〝もの作り〟になる」(岡山理科大にて)

 土用の丑の日が、今から思いやられる。何なんだ、昨今の鰻重のバカ高さは!シラスウナギの不漁による価格高騰に、水産庁も動き始めたが、打つ手はない。そこに一石を投じたのは、養殖業者ではなく、工学部の研究者。彼が提唱する新たな技術は、日本のあらゆる地域で養殖を可能にするものだった------。

 とにかく鰻重が高すぎる!「松」を食べようものなら、去年より1000円も高くなっている店まである(本誌記者実体験)。原因はハッキリしている。日本養鰻漁業協同組合連合会によると、ウナギの稚魚にあたるシラスウナギが今年は大不漁なのである。ウナギは産卵場所など謎が多く、卵から育てる完全養殖は、研究機関での成功例があるものの、商業ベースではとても採算が合わない。

 だから「稚魚からの養殖」なのだが、その不漁が今年で3年続いているのだ。今年3月末までに養殖の池に入ったのが約12t。同時期の数値で比べると、去年が19t、一昨年が17tというから、鰻重の異様な価格高騰もうなずける。

「現在、1kgあたり250万円以上の値が付いています。通常の価格は、年によって差があるので算出が難しいのですが、昨年の平均は1kgあたり87万円でした。250万円は今年の最高値で、今年もこれから獲れる分を見越して、平均すれば価格は250万円より下がると思うのですが・・・」

 と同連合会の若林稔参事は言うのだが、庶民の食卓から消えたスタミナ食を取り戻せるのは、いつの日になるのやら。

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