伊藤博敏「ニュースの深層」
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小沢捜査で意気消沈した検察は大人事異動

「佐久間特捜」が最後に狙う「久間案件」

2010年03月11日(木) 伊藤 博敏
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 東(東京地検)も西(大阪地検)も特捜部が意気消沈している。

 小沢一郎民主党幹事長を最終ターゲットにした捜査を続けた東京地検は、石川知裕代議士ら3人の前現秘書の単純な政治資金規正法違反(虚偽記載)で事件を終結させた。村木厚子厚生労働省元局長の郵便不正事件の公判を抱える大阪地検は、「無罪証言」が相次ぎ、公判対策に追われている。

 雑誌やネット上では、事件の結末を決めて捜査を行い、容疑を強引に認めさせて起訴する特捜検察の「シナリオ捜査」への批判が盛り上がりを見せており、検察OBなどの"身内"からは捜査能力の低下を嘆く声が絶えない。

 そんな沈滞ムードを一新するかのように、3月から7月にかけて検察人事が大きく変わる。

 特に、中央政界を監視する役割を担う最高検、東京高検、東京地検の縦ラインがすべて入れ替わる。6月には樋渡利秋最高検検事総長は勇退、後任には大林宏東京高検検事長が就く。それに合わせて岩村修二東京地検検事正も異動する。

 捜査現場も同様で、7月までに佐久間達哉特捜部長は異動。「小沢捜査」を率いた直告1班の吉田正喜副部長は4月1日付で自ら手掛けた事件の公判専従となる。すでに3月1日付で東京地検次席には大鶴基成検事が就いているが、これは「小沢捜査」の継続への布石だ。

 元特捜部長で水谷建設脱税事件を手がけ「東北談合」の事情にも詳しい大鶴検事を次席とし、小沢民主党が人事に手をつっこむことで「法務・検察」に反撃をかけようとした際の、"防御"にしようという思惑があるという。

 検察批判があり、体制的な動揺はあっても、検察は捜査を粛々と進めなくてはならない。

 「佐久間特捜」が、最後に手がけているのが旧GWG(グッドウィル・グループ)のM&Aに絡む脱税事件である。GWGが大手人材派遣会社のクリスタルグループを買収する際、GWG以外のファンド出資者に380億円の現金とクリスタル株が瞬時にもたらされた。

 そのうち経費込みで180億円を受け取ったコリンシアンパートナーズの中村(旧姓中澤)秀夫元社長と鬼頭和孝元副社長が、脱税容疑で逮捕されている。

 捜査しているのは畝本毅副部長が率いる直告2班。脱税事件を手がける財政経済班ではなく、政官界捜査に乗り出す直告2班が乗り出しているのは、脱税事件の次に東邦グローバルアソシエイツ(GA)という上場企業の企業犯罪が浮かんでおり、さらにその先には、東邦GAの仕手戦に間接的に関与した久間章生元防衛相の存在があるからだ。

 捜査は難航した。

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