『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』著者:適菜収 なぜ日本人は騙され続けるのか? 【第1回】

2012年04月25日(水)
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 一九八六年にはビートたけしと共に講談社を襲撃し、暴行罪で現行犯逮捕。一九九七年には、当時たけし軍団に在籍していた男性の側頭部を蹴り、傷害容疑で書類送検されています。一九九八年には、東京都内のイメクラで一六歳の従業員の少女から性的なサービスを受け、児童福祉法違反、東京都青少年健全育成条例違反の容疑で、警察から任意の事情聴取を数回受けている。

 要するに、本業でダメだった人間が知事に転職しているのです。

 東国原は知事選最終日にマラソンを行い、当選後には作業服姿で初登庁します。特定の知的階層を狙ったパフォーマンスでしょう。

 知事になったのは国会議員になりたかったからです。

 二〇〇八年一〇月、「衆院選に出る意思はない。知事の任期を全うしたい」と発言したものの、翌月には「なるからには閣僚か、トップ(首相)です。初当選、初入閣。そうでない限り行きません」と前言を翻します。

 二〇〇九年六月に自民党から衆院選出馬を打診された際には「自民党総裁候補にすること」を条件としました。勘違いも甚だしい。要するに、周囲がまったく見えていない。東国原が芸人として大成しなかったのは、こうした資質のせいかもしれません。

 もっとも、グラドル崩れや過激派崩れが閣僚になったり、市民活動家が総理大臣になるような世の中ですから、タレント崩れが総裁候補になってもおかしくはない。わが国はすでに取り返しのつかないところまで来てしまっています。

 大阪ではタレント弁護士の橋下徹が府知事に就任しました(その後、大阪市長に転身)。記者会見では癇癪を起こして怒鳴ったり、泣いてみせたり。暴力団と付き合っていた島田紳助が引退会見をしたときには「府知事になれたのは、紳助さんのおかげ」と言っていました。要するに、マスメディアがおかしな政治家を生み出している。

 しまいには、居酒屋チェーンの社長が都知事選に出馬し、石原慎太郎、東国原英夫に続き第三位につけている。

 二〇一一年の都知事選に出馬したワタミグループ創業者の渡邉美樹はこう述べます。

「たかだか居酒屋のオヤジがと言われ続けてきました」

「素人であるがゆえにものすごい政治家になれる」

「大いなる素人でありたい」

「今の政治に必要なのは経営感覚」

 恐ろしい世の中になったものです。

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