馬淵澄夫レポート

日銀法改正に向けた新たな論点
ニュージーランドの金融政策検証を踏まえた上で提言する二つのこと

2012年04月22日(日) 馬淵 澄夫
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ワシントンでのG20に出席するため訪米した日銀の白川方明総裁          〔PHOTO〕gettyimages  

 日銀は3月の金融政策決定会合で、さらなる緩和を見送り、白川総裁はワシントンで、景気を下支えするための金融緩和政策を長期にわたり実施した場合や、短期的な物価上昇率の目標達成へ過度に重点を置いた金融政策を実施することの副作用を指摘した。

 加えて、デフレ脱却のための金融政策に懐疑的であるとされる日銀審議委員候補が国会同意に付されるなど(結果は否決されたが)、日銀のスタンスをめぐってちぐはぐな動きが顕在化しだした。

 こうした状況では、2月14日のバレンタインギフトと称された、日銀の実質的なインフレ目標政策はたちまち雲散霧消してしまうのではないかと危惧せざるを得ない。

 そこで、議員有志で集う「円高・欧州危機等対応研究会」では、いよいよ日銀法改正案の検討を具体的に俎上に載せ、与党内の政策提言に昇華させようと取り組んでいるところである。内容が固まれば、また改めてお伝えしたいと思うが、日銀法の改正については、私は与党として現実的に改正に踏み出せるようにかつ新たな論点を付した法案を考えたいと思っている。

 他党の案も含めて、日銀法改正でポイントとして挙げられるのは、(1)通貨及び金融の調節の理念において雇用の最大化を明記する、(2)物価上昇率にかかる目標の設定いわゆるインフレ目標の明記、(3)総裁、副総裁及び審議委員の解任規定、などである。

 これら主要論点あるいはその他論点として、解任規定の前に説明責任の明確化を定める、また日銀と政府間で協定の締結を行うなど、オプションはいくつか考えられる。

 しかし、大きくは上に記したように、日銀の手段の独立性は担保しつつも政策目標については政府と共有することを第一に掲げ、物価の緩やかな上昇を基調として推移する状態を目指し、結果として雇用の最大化により国民経済の発展に資することを求めるものである。

 そして、それを確たるものにするために、インフレ目標を設定し、それに対して日銀のコミットメントを求め、不十分な場合には政府による責任者の解任も可能とするものであるのだが、私はここで、日銀の独立性をいわゆる政治の介入によって歪められるとの反論に対抗しうる仕組みも、与党としては検討すべきではないかと考えている。

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