[プロ野球] 
千葉ロッテ・秋親「再び輝くマウンドへ」

アイランドリーグ出身NPB選手は今 Vol.7

登板ゼロ、戦力外の恐怖

 昨オフ、2度目の“クビ”を覚悟した。

 NPBに復帰した2010年、秋親は右の中継ぎとして28試合に登板した。5月13日の横浜戦では1点ビハインドの場面でマウンドに上がり、味方が直後に逆転して勝ち投手になった。秋親にとっては、セットアッパーとして活躍していたダイエー時代の04年以来、実に6年ぶりの勝利の味だった。

 この年、ロッテはリーグ3位ながらクライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち抜き、“下克上”を達成する。秋親も登板機会はなかったものの、日本シリーズではベンチ入りを果たした。

 ところが、さらなる飛躍を誓った昨年、アクシデントが襲う。1軍メンバーにも選ばれた石垣島キャンプで腰を痛めてしまったのだ。ボールを投げることはもちろん、走ったりするだけで腰にズシリと重みを感じ、思うように動けなくなった。
「はっきりした原因も分からず、思いのほか時間がかかってしまいました」

 5月までブルペンにも入れず、完全に出遅れた。それでも夏場には調子を上げ、2軍では31試合に登板する。ところがチームの1軍成績は低迷。来季を見据えて若手を優先して起用するなかで、33歳の右腕に1軍昇格のチャンスはなかった。いや、もっと言えば1軍に上がる雰囲気すら感じられなかった。

「また戦力外かもしれないな……」

 シーズンを終えて、真っ先に“クビ”の2文字が頭をよぎった。1軍出場はゼロ。ソフトバンクで一度、戦力外を経験している身だけに不安は日に日に増していった。通常、戦力外を通告される選手は、10月初旬に球団から呼び出しがかかる。ソフトバンクの時も、そうだった。この時期は電話の着信音が鳴るのが怖かった。

 “恐怖の期間”を過ぎ、宮崎フェニックスリーグのメンバーに選ばれると知った時は、心底ホッとした。
「これで、なんとか大丈夫かなって思いましたね」