「消費増税」「ホルムズ海峡封鎖」「北朝鮮核実験」の3点セットで「救国内閣」誕生を企む「現代の牧民官」の深謀遠慮
民主党政権の現在、財務官僚が「牧民官」の役割を演じている

 やや手前味噌になるが、お許しいただきたい。前回コラムで、2月25日の野田佳彦首相と谷垣禎一自民党総裁の「極秘会談」を仲介したのは元大蔵官僚の杉崎重光元国際通貨基金(IMF)副専務理事(現ゴールドマンサックス証券副会長)であると書いたが、予想外の方からの電話を含め多くの問い合わせがあった。

 その後、判明した詳細を含め続編として記す。

謎解きのキーワードは「大平正芳」

 1964年、旧大蔵省に入省した杉崎氏の同期には、野田毅自民党税制調査会長(元経企庁長官)、涌井洋治日本たばこ会長(元主計局長)などがいる。大平正芳内閣の金子一平蔵相(故人)の秘書官(事務担当)を務めた杉崎氏は金子氏の娘婿でもある(因みに、故金子氏の長男は自民党の金子一義元国土交通相)。

 そして杉崎氏は、現在の財務省の勝栄二郎事務次官(75年)が入省時に配属された主税局国際租税課の当時の課長補佐であり、星野次彦官房審議官(主税局担当・83年)が国際金融局課長補佐当時の同局担当官房審議官でもあった。

 「消費増税法案成立に政治生命を懸ける」野田首相を支える財務省のトップである勝事務次官と、所管する古谷一之主税局長(78年)直属の部下であり、と同時に永田町対策を担う香川俊介官房長(79年)率いる工作チームの有力メンバーでもある星野官房審議官の2人は共にかつて杉崎氏の部下であった。

 79年9月の総選挙で当時の大平首相は一般消費税の導入に言及し、自民党は大敗した。そして88年12月、竹下登内閣の下で消費税導入法案が国会で成立した。今年の6月は、奇しくも12日が故大平氏の33回忌、19日が故竹下氏の13回忌である。

 今回の「極秘会談」の謎解きのキーワードは「大平正芳」である。上述の大平内閣の故田中六助官房長官秘書官(事務担当)である柳澤伯夫元金融担当相も元大蔵官僚(61年入省)である。そして肝心の大平首相秘書官である森田一・元運輸相もまた大平氏の娘婿であり、大蔵省出身(57年)なのだ。

 池田勇人元首相が創立した自民党宏池会に大平氏、金子氏はもちろんのこと、谷垣総裁の父親である故谷垣専一元文相(元農水官僚)もまた所属していたのだ。つまり、2人は同志である。そして池田、大平、宮澤喜一の各元首相が率いた宏池会は財界と密接な関係を持ち、自民党の派閥の中でも一貫して主流派であった。

 言うまでもなく、その3人は大蔵官僚から政界に転出したのだ。宮澤派時代に森田、柳澤両氏は所属し、その系譜にある現在の宏池会(古賀派)には谷垣総裁と金子一義氏が所属する。

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