つながる!ソーシャル時代 ヒト・カネ・コト
2012年04月19日(木) 松岡 由希子

ソーシャルメディアを活用し、市民に"声"をもたらす、イギリスの教育プログラム

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 欧米では、新聞の休刊・廃刊が相次ぎ、地方メディアが衰退しつつあると言われていますが、一般市民は、ローカルニュースに依然として高い関心を持っているよう。2012年4月に公表された「The Pew Internet & American Life Project」の調査レポートでは、米国成人の72%が地元のニュースや情報を定期的にチェックしていることが明らかになっています。

 では、ローカルニュースにおいてますます広がりつつある情報ニーズのギャップを、どのように補っていくべきなのでしょうか? イギリスでは、ローカルニュースを発信する担い手として市民自らが参画できるよう、専門的な知識・スキルをシェアし、市民をニュース発信者として育成する取り組みが行われています。

 イギリスの「People's Voice Media」は、デジタル技術を活用したコミュニティ開発をミッションとする非営利団体。ニュースコンテンツの制作・配信について学ぶ社会人向け教育プログラム「コミュニティ・レポーター・プログラム(Community Reporter Programme)」を企画・運営しています。

 このプログラムでは、テーマの企画から、映像・音声・画像・テキストなどのコンテンツ制作、ソーシャルメディアを通じたコンテンツの配信までを網羅。写真撮影や映像編集、ポッドキャスティングといった技術的スキルのみならず、コミュニケーションスキルやインタビュースキルなどの一般的なソーシャルスキルも身につけることができます。

 プログラム修了者は、修了を証するバッジが授与され、コミュニティレポーターのネットワークの一員として認定。YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、英国各地に広がるコミュニティレポーターの仲間たちとともに、ローカルニュース専門ウェブサイト「communityreporter.co.uk」を通じて、自ら制作した地元のニュースや情報を配信できます。

 いわずもがな、ソーシャルメディアは、誰もが情報を発信でき、誰もがこれにアクセスできるフラットなコミュニケーションツール。また、デジタルカメラやスマートフォン、パソコンなど、一般的なデジタルデバイスを使えば、画像や動画も、簡単に撮影・編集できます。つまり、これらを使いこなすための基本的なスキルさえあれば、地域で生活する人々が、自ら届けたいメッセージを多様なフォーマットで制作し、発信できるわけです。

 「People's Voice Media」は、「コミュニティ・レポーター・プログラム」を通じて、より多くの人々に、デジタルテクノロジーやソーシャルメディアを使って自分の声を発信するスキルと自信を授けようという取り組み。多様なコンテンツを通じて、地域の住民たちが自分の"声"を発信し始めることで、地域コミュニティの活性化にもつながりそうです。


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