経済の死角

シリーズ 2020年の世界から見た2012年の日本5
~セブン-イレブンが3万店になる日本の小売商圏~

2012年04月19日(木)
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文:西谷朝子

衝撃を与えたセブン-イレブンの増店計画

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長が、2011年末、セブン-イレブンの国内の店舗数を数年以内に現在の2倍となる約3万店規模にするという考えを発表した。

 国内市場では消費飽和、オーバーストア状態、ひいては個別店舗の収益性の低下などが指摘されて久しい中、現在の2倍以上の規模となる3万店を出店するという発表は多くの関係者に驚きを与えた。もちろん、増店計画の中には他のコンビニエンスストアチェーンの買収もありうると考えられるが、それにしても2倍以上の店舗をもつということの意図、あるいは勝算はいったいどこにあるのだろうか。

2020-2030年の商圏はどうなるのか?

【図表1】1.外出率=対象圏内における対象年齢の全人口に対して、一日に一回以上目的を持って外出した人の割合 2.東京都市圏=東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県南部を含む 出所:東京都市圏交通計画協議会
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 鍵を握るのはシニア層の増加である。現代のシニア層はかつてない程、元気な「お年寄り」であり、国際的にも、日本のシニア層は他国に比べて健康に自信がある人が多いといわれている。

 しかし、それでも、ある程度の年齢を重ねると身体的な衰えは避けがたく、行動範囲は狭くなってくる。

 東京都市圏(東京都、神奈川県、埼玉県、茨城南部)で行われたパーソントリップ調査※1によると、10代のころから90%前後を維持した外出率は、60歳を超えると徐々に低下し、80歳以降の男性で40%、女性で30%まで落ち込む(図表1参照)。

【図表2】外出人口=∑(年齢階級別外出率×年齢階級別人口) 出所:東京都市圏交通計画協議会、国立社会保障・人口問題研究所、統計局
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 仮にこの外出率を全国の人口※2に掛け合わせて、1日に一回以上外出する「推定外出人口」を算出すると、2010年から2040年までに外出人口は二割以上も減少することが想定される(図表2参照)。

 もちろん、将来のシニア層は現在のシニア層よりもさらにアクティブで、外出率が高くなる可能性もあるが、加齢による効果も無視できない。

 

※1平成20年パーソントリップ調査(東京都市圏交通計画協議会)
※2国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)、国勢調査(総務省)
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